第18話 「ゆるきもの」について

 うちには、其処此処そこここにぬいぐるみが転がっております。


 ぬいぐるみが好きなのか? と聞かれれば、好きです。勿論。しかし、自分では滅多に買いません。可愛いけど場所を取るから。


 しかし、夫は、何故か私に、ゆる〜いぬいぐるみを買ってくるのが好き。

 以前、夜一人で出かけて、帰ってきた時に、「おみやげ」と言ってくれたのは、バスケットボール大の「シマエナガ」のぬいぐるみ。

「いや、可愛いけどさ」

「嫌い?」

「いや、好きだけどさ」

「ならいいじゃん」

置くところがないので、テレビの前に。

 既に、そこには、札幌の水族館AOAOで買ってくれたイワトビペンギンが……。


 私が孫わかちゃんのために洋服を探している間、夫をゲームセンターに放置しておいて、買い物終わりに迎えに行くと、クレーンゲームの前で80cmはあるだろうペンギンを抱えている夫。

「なにしとんねん……」

脱力する私。

「取れたんだもん」

「どこ置くのよ(汗)」

「嫌い?」

「いや……好きだけどさぁ」


 ということで、テレビの前に。

 うちのテレビの前には、ペンギンやら、シマエナガやら、テレビ父さんやら、何かわからんゆるキャラたちがいて、ファイターズの応援をしています(笑)。


 そんなに「ゆるい人」もしくは「天然さん」に見えるのでしょうか。他の友達から貰うプレゼントも「ゆるいもの」ばかりです。

 たまに、それらを使ってスポーツの試合のギャラリーをやらせたり、輪っかに並べて、ゆるい子会議をさせたり、パンダにビール持たせたりしているのを発見して大ウケしている夫がいて、そのせいでしょうか(汗)。



 今思えば、私はちょっと変わった子供で、小さい頃にみんながやっている「ままごと」や「お人形遊び」には全く興味のない子でした。みんな集めているリカちゃんやリカちゃんハウス。そんなものは、一切家にありません。遊びに来た友達が憐れんで、私にリカちゃんハウスをくれました。(リカちゃん本体がないのにどうしろと?)

 私の代わりに弟たちが「ままごと」に目覚め、しょっちゅうやってましたけど(笑)。 


 お人形でどうやって遊ぶのかもわからなったし、お人形自体に愛着も感じなかったんですね。

 本ばかり読んでいました。童話から偉人さんの本、子供百科事典、世界名作文学……読むものがなくなったら、小学生用の国語辞典を。本の虫でしたね〜。


 それが、40歳を過ぎ、ゆるい子たちが集まり始めた頃から、その子たちで遊ぶことを覚えてしまいました。

 今、アラ還に足を突っ込んで、ペンギンとシマエナガでお人形ごっこをしている私を見て、

「ひーちゃん、50年越しのお人形ごっこ? お風呂入って寝なさい」

と生暖かい目で見ていてくれています。(普段は「ひーちゃん」とは呼ばないのですが、こんなときだけ、「ひーちゃん」扱いをする夫)。


 お人形には今もやっぱり興味がないんですが、ゆるい子たちには、実は、凄く愛着があって、ついつい、シマエナガとお話したり、パンダで4コマ漫画を作ってしまったり、ゆるい子たちを集めて、野球の応援をしたり……。

 そんな「ひーちゃん」が面白くて、夫が隙あらば、ゆるいぬいぐるみを増やしていくのでしょう(汗)。


 もー、好きだけど、置くところがないんですよ? ホントに!


 お片付け苦手な私に、更に更にお片付けが苦手な夫が、でかいぬいぐるみを買ってくるので、嬉しいけど、困っているよ! というお話でした。


※近況ノートに写真があります。

https://kakuyomu.jp/users/hiyuki0714/news/16818093080035139066

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私をつくる「好き」なこと 緋雪 @hiyuki0714

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