第29話 古代イスラエル王国史・概略
「ところで、アイムさま」
「なんじゃ?」
「ついさっき、千代田区の形を指でなぞって、『ま~げ~ん・だ~ナントカ』って言ってましたけど、それって一体何語なんですか?」
「正しくは『マーゲーン・ダーウィーズ』な。これはヘブライの言葉なのじゃが、この国の言葉で言い直すのならば、〈ダビデの星〉となろう」
「えっ! ダビデってあの?」
「ほう、知っておるのか」
「もちろんです。一応、基礎教養として『旧約聖書』はざっと学んだので」
ダビデについては、『旧約聖書』の「サムエル書」に詳しい。
古代イスラエルの指導者たる〈士師〉、その最後の士師で、紀元前十一世紀の人とされる「サムエル」は、民に王を強く請われ、かくして、サムエルが選んだのが「サウル」で、彼こそが、イスラエル王国の最初の王である。
だがしかし、サウルは神の命に反したため、密かに士師サムエルが後の王として選んだのが、当時羊飼いをしていた少年「ダビデ」であった。
ダビデは竪琴の名手だったのだが、その腕前が評判となり、やがて、王宮に呼び出され、王の前で腕前を披露した。そして、ダビデはサウルに気に入られ、結果、サウルの為に竪琴を弾く事になった。
だが、王とダビデの蜜月はやがて終わりを迎え、ダビデを妬むようになった王サウルに、ダビデは何度も殺されそうになったものの、ダビデは王を弑逆しようとはしなかったらしい。
その後、サウルはペリシテ人との戦いの最中、命を落としてしまった。
神の宣託を受けたダビデは、ユダのヘプロンに赴き、そこでユダの王となり、「ダビデ朝」が開かれる事となる。
その一方で、サウルの四男である「イシュ・ボシェテ」が「サウル朝」第二代目の王となったのだった。
その後、ユダの一族を率いたダビデと、サウルの跡を継ぎ、イスラエルを率いたイシュ・ボシェテの軍の間で戦いが繰り返される事となった。
だが、イシュ・ボシェテは、自身の家臣の手によって暗殺され、サウル朝は僅か二代で滅亡してしまったのである。
〈全イスラエル〉の王となったダビデは、やがて、エルサレムに都を置き、その後、ダビデの治世は約四十年間続く事になる。
そのダビデの跡を継ぎ、イスラエルの第三代目の王となったのが「ソロモン」、そう、法と火の魔神「アイム」も含めた七十二柱の悪魔の召喚主である。
ソロモンと言えば、ダビデの家臣であったウリヤの妻、バト・シェバとダビデの不倫関係の末に生まれた二人目の子だったのだが、ダビデの死後、ソロモンは、腹違いの兄弟達を打倒し、第三代目の王となったのだった。
これが、灯が知っている限りにおける、古代のイスラエル王国史の概略である。
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