第80話・またね!
イベントから数日が経ち、いまだ忙しい日々を続けている。
自分もやりたいからできる限り時間を作りログイン。そしてやるのは新素材を始めとした研究と武器、防具の作成である。それだけでなく牧場の運営もやるから、なかなか楽しい。
イヴはなんかにゃーにゃーいう子になったが人気キャラとして活動。ダンジョンは多くの人に使われ、セブンスを作る施設も復活。セブンスソードを作る人は多数いる。いまのところ性能は追い抜かれていないな。よしよし。
いまのところスキルを多く獲得して、それらを育てつつ、サーヴァント達を強化しながら、牧場を運営していくスタイルがいまのゲームスタイルだ。
なかなか楽しい日々の中、リファが見知らぬアイテムを渡してきて、また検証班が絶叫する羽目になったが、まあ楽しい日々を過ごす。
「それで、その武器はどうかな黒猫?」
「サイコー!」
新しい武器を振り回して楽しそうな黒猫。彼女の保護者扱いになり、共に行動をしている。寄生にならないか心配するが、武器たかられていると思われるので、まあ黒猫が問題ないのなら大丈夫だろう。
リファとも仲良く過ごして、スピカが可愛らしい洋服を着てホームを飛び回る。
「楽しいか」
「あい!」
スピカ共々、テイムモンスター達が楽しそうにしている。
そうなれば次はなにしよう。
「新しいフィールドに出るか、新しい素材を探すか、装備を作るか………悩むな」
そう思いながらやることはたくさんある。これでもトップ鍛冶師の一人。やるべきことは最高の装備を作り出すこと。
最高の武器、最高の魔法、最高の防具。それと最高のアクセサリー。
次はなにを作ろう。どれを目指すか。
「とりあえず黒猫にこれを渡すか、それとも売りに出すか」
最近は黒猫以外にも顧客ができるようになってきた。優先は黒猫や宝石箱だが、彼らにも恩恵を渡したいと思うのは贅沢な悩みだろうか?
できればたくさんの人に自分の作った物を利用してもらいたい。魔法なり装備なり装飾なり、さまざまな物を生産して過ごしていく。
それだけでなく、新しいモンスターなどもテイムしたい。様々なモンスターを育てて楽しむ。元々の目的だからね。忘れない忘れない。
「んーなかなか終わらないなこのゲーム」
楽しそうに呟き、自分は今日もゲームをする。
学校や宿題があるからと時間は限られるが、楽しく過ごすのはなかなか骨が折れる。それでも付き合ってくれる友達もいる中で、楽しく過ごしながら日々を過ごす。
そうして過ごす日々のある日、黒猫がホットミルクを飲みながら、ふとっ思い出したように聞いてきた。
「ねえねえ、リアルの方で時間ある?」
おっと、珍しい。リアルの話題はそうそうあがらないから驚いた。男子から女子はタブーだと思っている中、黒猫からの質問に対して、ちゃんと答えよう。
「どうしてだい?」
「今度ダイヤの誕生日会でオフ会しようかって話になって」
「男一人はいやだな」
これは切実、黒猫は男友達はアッシュさんのようなゲーム攻略仲間の他はいない。アッシュさん達が呼ばれないのなら男は下手をすれば俺一人だ。さすがに女子会のような場所に入るのは勘弁して欲しい。
それを知ってか大丈夫大丈夫と黒猫は答えた。
「まあ多少はいるから」
黒猫にそう言われて、別に構わないかと頷いておく。なにげに宝石箱のスタッフとも仲良いし、一人に数えられても仕方ないポジションだからね。
こうして現実でも時間を作り、出会うことになるのだが、まさか宝石箱を運営する会社からスタッフとしてスカウトされるとは。良い話だから前向きに親と相談することにした。黒猫達も喜んでくれる。
しかし、リアルの黒猫がまさかの令嬢と知り驚くが、関係は変わらなかった。
こうしてまあまあ楽しく、エンジョイのままゲームを楽しむ。いずれ追い抜かれるだろうがそれまでは、自分はエンジョイトッププレイヤーだ。
こうしてゲームを続けていく。今度の舞台は山脈を超えた新たな大陸? 海の果てにある海底都市? それとも全く想像できない場所だろうか?
新たな出会い、新たな冒険、新たな素材を求めて、今日もまたゲームにログインして楽しんでいく。
妖精使いのノート。こうしてこのゲームで噂されながら日々を過ごして、楽しく最前線を歩き続けるのであった。
――完――
エンジョイテイマー、エンジョイしながらトップを行く 読書好きのシマリス @ookina-simarisu
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