藍濤銀盤蝉時雨

めいき~

藍濤銀盤蝉時雨(らんとうぎんばんせみしぐれ)


この世は斯くも生きづらい



銀盤の様に飾られて、されど人は過熱する。



誰の、気持ちも過熱してその人の香りを醸し出す。



蝉が一斉に鳴くように、悲鳴と叫び。




大きな音よ、心臓跳ね。

大波に攫われ、叩きつけられ。



salty breezeと消えていく



天候が変わる度、季節が変わる度。

気持ちが変わる度、告げる様に香りが舞う。



雷鳴もあれば、晴天もある。

大海原にScabiosaは無し、星と鳥があるばかり。



星を導に、with the wind。



本当は死んだかもしれない光に、苦渋と苦悩に満ちる自由。



それでも、ふらつきながら。



周りを見れば沈む船


残骸たちの言霊あるばかり。



島が見えては休める場所かと、最後になる事も。



まだ、先があるのかと。灯り達に夢を見る。



反射を灯りに、若鳥がふらつく。

虹の日も、嵐の日も。




飛沫がRequiem、舞い踊る瓦礫が星の街。

それでも、囁きは海から雑踏に奏られ。



便りに詠われ、水は多くとも塩ばかり。

皮肉に過ぎて、慟哭す。



潮は、鈴蘭の花冠に似て。

故郷の誰か想う也。



遠くに見える黒い傘、紅い雨降り膝枕。

頼りなき揺り籠に揺られ、全てが燻る黒蛍。



(おしまい)

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