第22話
ゴールデンウィークまで残り一週間となったとき月曜日、姫美から連絡があった。
『今夜時間を取れるかしら。不本意ながらも泉さんも一緒にね』
『引継ぎも一段落したので大丈夫だ。チョット待ってくれ泉にも確認する』
スマホのマイクを抑えながら隣にいる泉に話かける。
『泉、チョットいいか。姫美からの電話で例の件について説明をしたいそうだ』
『錦さんが事前の連絡なしに説明の場を設けるなんて、私にきて欲しくない
事が割る分かり。いいですよ!参加します』
前半部分は小さい声だったので聞こえなかったが、参加できるようだ。
『泉も大丈夫だ。時間と場所をメールで送ってくれ。二人で向かう』
『分かったわ。メールで連絡するわね』
姫美から送られてきたのは、隠れ家的な寿司屋だった。
これ絶対高い店だな。今月はあまりジャンク屋に行ってないから払えると思うが。。
そんな心配をしていたら、お店の人に高そうな店のされに高そうな個室に
案内された。既に姫美は席にいた。
『待たせたかな。いい店を予約してくれてありがとう』
『いいのよ、落ち着いて話すにはこういう店がよいでしょ。
お任せで適当に注文しているから、まずは飲み物を飲みながら
話をしてしまいましょう』
各自注文したドリンクがきた。こういう所のビールって
普通の居酒屋で飲むより美味しく感じるんだよな。雰囲気かな。
『では早速新しい組織について説明するわね。
まず新しい組織は本社に用意するわ、部署名は情報収集分析システム室
略称はInformation collection and analysis system departmentの頭文字を
とってICASよ。わたしの直属として他の組織から独立させる。
メンバーだけど、西砂マネージャを室長にして面倒な調整を全て任せるわ。
西砂さんは調整役としてかなり優秀だから。あとは達人と泉さん。
そして外部からというか神伐から2名を呼ぶ予定』
一気に話したが、西砂マネージャ以外は予定とおりだな。
『西砂マネージャには話済みなのか?』
『ええ、あなた達を含め4月20日付で既に辞令は降りているわ。別途説明も終わっていて
待遇面でビックリしていたわね』
どんな待遇だったのかとても気になるが、西砂マネージャが一緒なのはとても心強い。
『西砂さんは現地にはいかないとおもうけれど、一応の危険手当と機密情報を
管理するのでその分を上乗せしているわ。本社の本部長ぐらい待遇ね』
おっと、そうすると指2本は超えているな。うらやましいけど世界の命運が
かかっているとおもうと安いのかな。
『俺らはいつから物理的に移動になるんだ?』
『ゴールデンウィークが始まる最終出勤日に段ボールを用意するから
荷造りをしておいて。ゴールデンウィーク中に新しい部屋に移動しておくわ
新しい部屋は、本社39FのL1よ』
『すごいな、役員フロアのすぐ下だな。しかもかなり広い部屋だ。
5人で過ごすにはもったいないな』
『これから人が増えるかもしれないし、あなたの好きな機械を並べていいわ。
既に19インチラックと200Vを含めた電源工事も完了している。その部屋は
パーティションで区切って空調も分けているから24時間電源を入れっぱなし
でもいいわ』
やばい、おれの趣味が分かっている。これは楽しみで仕方がない。
『機械じゃなくて、ネットワーク機器やセキュリティ機器な。
準備ありがとう。機器購入の予算はどのぐらいだ?』
『既に特別予算は組んでいるから稟議無しに好きなだけ買っていいわよ。
ただし、19インチは40Uを3本分しか用意していないからまずはそれに収まる
だけね。足りなかったらラックはあと3本は追加できるけど、作業スペースも
あるから基本は3本分におさめなさい』
やばい、欲望が止まらない。
『ありがとう。とても助かるよ』
『全力で先輩に貢ごうとしている。これはかなり危険だわ』
泉が小さな声で何かを呟いている。
インフラネットワーク系システムエンジニアの非日常 Issa @Issa_ISIS
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。インフラネットワーク系システムエンジニアの非日常の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます