かっぱのカパさん

夢月みつき

第1話「かっぱのカパさんとカパ美ちゃん」

 🥒登場人物紹介🍅

 カッパのカパさん


 カパ美ちゃん


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 かっぱのカパさんは、最近、大好物のキュウリにケチャップを付けて食べるのが大好きです。

 あの酸味とまろやかさがたまらないんだって。

「トマトケチャップ、トマトケチャップ」


 ケチャップとキュウリAIイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093076504371489


 カパさんは、キュウリにケチャップを付けて食べようとして、冷蔵庫をガチャリと開けました。

 しかし、冷蔵庫のケチャップは空っぽでした。



「ケチャップキュウリが食べたいぱぁ」

 カパさんは、指をくわえるとお財布を持ち、でこぼこスーパーへ行くために外出をした。


 てくてくてくてく、カパさんは商店街を歩いて行く。

 緑の全身、黄色いクチバシ、立派なこうら。そして、つぶらなまなこ。

 カパさんは、桜並木の桜を見ながら考える。



「春だな、こんな時はケチャップキュウリかぱ」

 ますます、食べたくなるカパさんは、足早におばちゃん達がたむろする、魚屋の前を通り過ぎる。


 そうこうしているうちにスーパーに着く。

「ケチャップ~!」



 カパさんは、買い物かごを持って素早く、調味料売り場に急ぐ。

「ケチャップかぱ~」



 いつも、マヨネーズの隣に陳列されている“トマトケチャップ”に目をやる。

 すると……ケチャップは一本残らず、売り切れだった……



「ケ……ケチャップ~」

 カパさんは、滝のように涙を流す。

 店員さんにも一応、聞いてみるが。

「すみません。今日は、そこにあるだけなんですよ」


 ガーン!


 カパさんは号泣しながら、持参のキュウリを握りしめる。

「ケチャ―ップ・キューリかぱぁ~!」



「なにやってるのよ。カパさん」

 彼が伸びやかな声に振り向くと、そこには大好きなカパ美ちゃんが、呆れた顔をして立っていた。


「カパ美ちゃん!ケチャップがないかぱ」


「ああ、ケチャップね。あたしさっき買ったわよ。良かったら、少しあげようか?」

 カパさんはひざまずいて、カパ美ちゃんに感謝を伝える。



「ありがとうかぱ~、カパ美ちゃん!」

「やめて、恥ずかしい」

 カパ美ちゃんは少し、恥ずかしそうに頬を染めた。


 その後、見事、カパ美ちゃんからケチャップを貰ったカパさんは、彼女と一緒にケチャップキュウリを食べたのでした。



 おわり


 お読みくださり、ありがとうございます。

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