第3話 初めてのレベルアップ
父上からも許可を貰えたので、近くの森までやってきた。
俺の記憶によると、この辺りの森にはアイアンファングというイノシシ型の魔物が出てくるはずだ。
討伐ランクはD程度。
俺のレベル的には少しだけ魔物の方が上手……といった程度のものだ。
とはいえ、討伐できないわけではない。
現状覚えている魔法は《ファイア》だけだから少し縛りプレイ感はあるが、その方が楽しいのは間違いない。
「この辺りにいると思うんだけど……あ、いたいた」
森の中をさまよっていると、アイアンファングの姿を捉えた。
そもそもこの魔物は出現頻度が高くて、そこまで探すのには苦労しないタイプの相手だ。
まあ……それが原因で怪我人がよく出る設定らしいんだけど。
――ブルルルルル!!
「魔物……すげえリアルだ! 少し感動だな!」
俺は半ば感動を覚えながらも、すぐに思考を切り替えて魔物を見据える。
感動するのもいいが、今は一応戦闘中だ。
「さて――こいつの弱点は知っている。サクッと倒してやるよ」
アイアンファングの弱点は意外と簡単なものだ。
――ブルルル!!
「よっと!」
こいつはなんと言っても猪突猛進。
とにかく真っ直ぐ敵に向かって突っ込んでくる。
だからそこを突くことになる。
俺は軽く突っ込んできたアイアンファングを避けて、後ろに回り込む。
「これでどうかな! 《ファイア》!」
俺を見失った相手に向かって、すかさず魔法を放つ。
詠唱とともに手のひらから光りが漏れ――同時に赤い炎がアイアンファングに直撃する。
――ぐぎゅうううううううう!?
アイアンファングは避けることもできずに炎に包まれ、息絶えてしまった。
――――――――――――――――――
レベルが上がりました。
それに伴い、ステータスも上昇しました。
レベル 5→11
HP 10→30
MP 10→25
――――――――――――――――――
「レベルもしっかり上がったな。それにMPも上がったし、もう少し強い魔法も覚えられるな」
そう言って、俺は手のひらを空にかざして魔法の詳細を開く。
これなら更に《ファイア》を強化することができる。
威力上昇に加え、他にも変化を加えてもいいかもしれない。
たとえば……当たった瞬間『爆裂』するとか。
それなら比較的魔力消費も抑えつつ、更に威力上昇が狙える。
いわばコスパがいいというやつだ。
「よし、調整完了っと。これで威力も上がったかな」
早速試してみたいところだが……しかしアイアンファングには少し威力が高すぎる気がするな。
何か良い魔物がいればいいのだが――。
「だ、誰か! 誰か助けてください!」
どこからともなく、女の子の声が聞こえてきた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき
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