フラグメントアクト 2

「……私達は水母の骨を見た。御尊父を通じて耳に入れているだろう」

「勿論。それで、貴方がたの先祖が記した資料を当たらせてもらった。前回を基準にすると、今から一月ほどで魔獣に成長する」

「私達はこれまでも、自助と共助によって侵攻を凌いできた。しかし、貴方には貴方の考えがあるのだろう。従わせたくば力を示せばいい」

「そういうのは趣味じゃないんだ。手伝ってほしいとは思っている。上手くいけば犠牲を抑えられるから」

「私達は志ある者に従う。言葉には耳を貸すが、行動に移すためには信用が必要だ。私が納得しても、皆がそうとは限らない。貴方に全ての民と対話をする時間はない。だから、貴方は武器を持ち出した」

「ご明察だ。あまり上品なやり方ではないから、断ってくれてもいい」

「決闘をしよう、アルブレヒト。手加減はしない」

「助かるよ。貴方はこの決闘に何を望む?」

「独立自尊、只誇りにかけて厳正なる勝負を望む。貴方はこの決闘に何を望む?」

「独立自尊、只誇りにかけて厳正なる勝負を望む」


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