第125話 植物?①
暫くは大人だけでの活動が続いた、そんなある日。
キヨカから、マルクが洞窟の外に出ているのではないかと相談をされた。
キヨカがマップを確認すると、カンさんの自宅に黄色い点があるそうだ。最初はカンさんが自宅へ行っているのだろうと思っていたが、目の前にカンさんがいるのに、カンさんの自宅に黄色い点がひとつと青い点がひとつ。
俺は盟主達とPTを組んでいるので、とりあえずマルクとキヨカはふたりでPTを組んでもらっている。なので、キヨカのマップに映る青い点はマルクだろう。すると一緒の黄色い点は翔太か?
カンさんに翔太の居場所を聞くとマルクと洞窟内で遊ぶと言っていたと。
それで、俺に相談をしたそうだ。
キヨカとカンさんと3人でカンさんの自宅へ。
火山灰を外に取り除いたカンさんちの庭にマルク達の声、裏の仕事場の方からこっそりと入り庭を見るとそこには翔太とマルク、それとふたりに手を繋がれた植物。しかも歩いている。
手を繋ぐ……植物の
カンさんちにも硬い石は置いてあるのに、どうやって入ったんだ?そして何故子供らを手なづけているんだ!
「それ……どこで拾ってきたんだ」
俺が背後から話しかけるとふたりは飛び上がってから振り向いた。
「畑の……近くを歩いていたの。飼っちゃダメ? ちゃんとお世話をするよ?」
「そうだよ、凄く利口なんだ。他の動物を襲ったりしないぞ?」
「エントツーはいい子だよ?」
「え、煙突?」
「うん、エントツー。エントワンは逃げちゃったの。2番目に来たからエントツー。英語で2はツーなんだって」
「へぇ、って逃げた奴はどこ行った?村人を襲うんじゃないか」
「怖がりだからこっちが何もしなければ襲ったりしないよ」
「そうだよ、怖がりなんだよ」
「いえいえ、その前に、エントワン、エントツーの名前は何故付けたのですか?」
いつも優しいカンさんが珍しく真顔になっている。
「名前聞いたら名乗ったけどみんな同じ名前なんだって。それでわかりにくいからワン、ツーにしたの」
「その聞いた名前はもしかすると、『エント』なのですか?」
「うん、そうだよ。だからエントツー」
「エントだと!」
「まさか、あの、エントですか?」
「いや、まさかだろ?ここは地球だぞ? ゲームじゃないぞ?」
俺が念話で知らせたので、直ぐにタウさんとミレさんが飛んできたのだ。
ミレさんが近づくとエントツーはマルクの後ろに隠れた。
「エント エルフ イガイキライ エルフ チガウ コワイ」
「喋ったあぁぁぁ」
「話した」
「いや、本当にエントですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます