第83話 血盟の謎は深まる①
結局、その日は筑波学園都市のシェルターを見つける事は出来ずに、わんわんランドをフェンスの外から楽しんだ。
だがその日、ゆうごからの夕方の定時報告で驚きの報告がされ、皆が騒然となった。
と言うのは、なんとゆうごの友人にステータスが表示されたと言うのだ。
その友人は勿論、異世界帰還者ではないただの大学生だ。
少し前にマルクがゲームにインをして血盟加入した途端にステータスが表示されたとゆうごに報告をした時、ゆうごが自分の友人にもゲームログインをさせてタウさんの血盟『地球の砂漠』に加入させた。
しかし、その時は何も起こらなかった。
やはりステータスは『異世界』がキーなのだと、その時俺らは思った。
なのにここに来て今、北海道で一般人にステータスが表示?
「それは、
タウさんもいつものクールさが少し剥がれたように気色ばんでいる。
『ええと、どこから話せばいいかな。
ゆうごも珍しく混乱してるのかいつもの明快な物言いではなくなっている。ゲームに対して冷静かつ辣腕のゆうごらしくない。
タウさんとゆうごは歳こそ違うが俺らの中では『沈着冷静なゲーム解析者のトップ2人』で通ってる。そのふたりの声に動揺が滲み出ているのが俺にもはっきりわかった。
「えっ!
あれ?ゆうごの大学の友達って確か
俺が言うのも何だが、命名センス無くね?それともまさかと思うが…………本名か?
「ミレさん、北海道ってさ、名前に北が無いと住めないとかあるん?」
ブホッ
ミレさんが吹いた。
「ないだろ。そもそもゆうごの本名は
「あ、そうだったな」
タウさんにチラリと見られた。はい、静かにしています。
「それで? ゆうごくん」
『はい。以前に
「ええ、そうでしたね」
『それで、あの時検証のためにガッコの友人に別血盟を立ち上げてもらったんですが、そこに居たひとりが脱退してペナが明けたのでチキサバに申請送ってて、今日の午後に承認をもらいました』
「はい、それが
『それで
「つまり、北海道で一般人だった
『はい。ふたりともテレポートに成功しました。それとステータスが出たのでフレンド登録も可能でした』
驚いたな。北海道で初の一般人のステータス表示。いや、北海道ではなく日本で俺が知る限りだが、日本初の『異世界転移してないのにゲームみたいなステータス画面が表示された』(長いな)だな!
「他の方はどうです?大地くんと太郎くん以外にもゲームにインしたご友人はいましたよね?」
『はい。それなんですが、他の友人達はステータスは表示されませんでした。タウさんの血盟に入ったふたりだけです。それで他の友人達もタウさんのとこに入ろうとして脱退したけどペナ中になってて申請が出来ない状況で確認できません。そちらの皆さんはどうですか?』
そこまでの話を聞いていた皆が一斉にステータス詠唱をし出した。
「ステータス!」
「ステータス」
「ステェータァーッス」
「出よステータス!」
「出た!」
「出た出た出たぁ」
「えっ、ステータス!出ましたぁぁぁ」
「ステータス出たぜぇ」
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