第4話 少女思ウ
妹を惨殺され、ようやく捕まえたと思った悪魔は記憶がない。はっきり言って、気持ちが悪い。お前が鍵だとか言われても正直どうでもいいのだ。
ネクは座りこみ、胸の内を明かす。
「正直は私はどうでもいいよ。今はただ受け身になることしかできないと思う。」
レスは少し落ち着きを取り戻し
「改めて私はネクに頼みたい。護衛も私とギブだっけか、の二人ですることも改めて約束しよう。」
「えっ...?僕もですか。」
「なんか文句があるのか?」
「ひぃぃぃ!なんでもないです...」
ギブはレスに酷くびびっているようだ。
ネクは再び口を開き
「まずさ、私達は何をしないといけないの?それがわからないと何も言えないけど。」
「すまない。まずは説明だったな。」
「確かに何をするんですか?」
「ネクには、安全の範囲で囮になってもらおうと思う。」
レスが提案したものは、さすがに冷酷としか言いようがないものだった。
すると、ギブが少し感情的になり立ち上がる。
「え...!?それはあまりにも非道じゃないですか?」
「悪魔、お前にも人を敬う気持ちがあるんだな。」
「死ぬとかは悲しいと思います...それは悪魔でも天使でも人間でも...」
「?私にはお前が言ってることが理解できない。なら、なぜ人を殺す理由がある。」
「だから、それが覚えてないんです。」
二人は少し口論になった。
そこへネクが抑制するように割って入る。
「いいよ。囮やるよ。でも、それが鍵なの?」
「あぁ、鍵にはなる。基本悪魔と天使は直接戦う訳ではなく、人間が襲われてるところに行き、戦うことになる。」
「直接戦おうとしたら戦えるでしょ?」
「それは、天界と深淵の契約上無理なんです。」
「そうなんだ。しかし、我々は人間の救済のためなら戦うことが許可されている。」
「そして、僕たち悪魔には戦う許可は出ていません。でも、自衛のためなら許されるんです。許されるよりは、しょうがないって感じかもです。」
「変なルール。てか、そういう記憶はあるんだね。」
「肝心なところしか消えてないかと思います。」
「まぁネクが言ってる通り「変なルール」だ。いるかいらないかで言われたら要らない。」
「ただ、僕たちよりももっと上の神にとっては必要らしいです。」
「ふーん。まぁいいよ。ありがとう説明してくれて。」
レスはあたりがすっかり暗くなってることに気づく。
「今日はもう暗い。行動に移すのは明日にしよう。」
「わかった。」
しばらくし、ネクは眠りにつく。天使と悪魔は起きたまま護衛を続け、朝が来るのであった。
天使悪魔大決戦 愛なんだ @Ainanda
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