第3話 記憶のない悪魔
「無理だよ...もう生きてても意味なんかないし、それにもう今更遅いよ。この現状は元に戻らない。」
「....でも」
「でもじゃないよ、仮に私が鍵だとしてもそれはまた違う鍵、使えるところなんかない、錆びれた鍵だよ」
「違う!!私は本気でこの現状を打破したい。頼むよ、この通りだ。」
レスは意地を張るネクに深々とお辞儀をし、天使らしかぬ行動をとった。
お互いが黙り込んでる時に、ある声が聞こえてくる。
「うーん」
この声を聞いたレスは瞳孔を大きく開き、謎の声の正体の方へよる。
声の正体は悪魔だった。
「きた!やはり、ネクは私たちにとって重要な存在だ!間違いない!」
レスは少し興奮気味だ。
「どういうこと?」
「おまえがつけてた指輪の効果が発動されたんだ。自衛の際の衝撃波、あれは気絶させるだけじゃなくて、0.0000001%の確率で対象の記憶をなくさせることができる。そしてそれを人間が使用するとその確率が、0.0000001%だけ上がるんだ。」
「えっと...じゃあ0.0000...002%ってこと?」
「まぁそうだな」
レスは指輪についての説明を細かくしていた。
「本当はだn...」
「あの...僕を挟んで会話しないでいただけるでしょうか。すみません。」
悪魔だ。悪魔が目を覚ました。
ネクはレスの背中へと隠れた。
いくら、記憶がないからといい、怖いものは怖い。
そして何よりあいつは、あいつは....!
レスは悪魔を睨みつける。
「ひぃ...!すみません。すみません。そういうつもりで言ったのじゃなくて」
「かなり気が弱い悪魔だな、おまえに名前はあるのか?」
「僕は「ギブ」です。周りからはギブアップのギブってバカにされた気がしたんですけど、あれ?記憶がないんですけど。」
「記憶は私が消させてもらった、戻ることもない。それで質問する。おまえは私たちに対する敵意はあるのか」
レスはギブに詰めるように質問をする。
「覚えてないです...今はないです。」
「なんで記憶はないのに名前はわかるの」
ネクが質問する。
「わからないです。全ての記憶がないってよりは、肝心な記憶はないのかもしれません。」
「お前は何人、人を殺した。」
「それも覚えてないです。あっ、記憶的な問題です。」
「なぜ殺す。」
「だから覚えてないんですって!」
「チッ、使えねーな。いいか、おまえは今目の前にいる子供の妹を目の前で殺したんだぞ。」
「....。」
「.....。」
ネクとギブの間に沈黙が続く、記憶がないっていうのはこんなにも酷いことなのか。
ネクの感情を複雑にさせる。
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