1話完結「理想の君は・・」 京子編

僕はさえない図書委員。友達がいない僕はいつも昼休みに1人で図書室に来ている。そんな僕の隣でいつも本を読んでる女の子も同じ図書委員だ。あまり話した事は無いが透き通る様に可愛いその子の横顔に僕は一目惚れしていた。


女の子の名前は京子さん、彼女も人と関わるのが苦手そうで、いつもマスクをしている。後ろを通る時に京子さんの読んでいる本を覗き見するが、文学的な難しい本を読んでいて僕とは正反対だ。


僕は京子さんと仲良くなろうと思いきって難しい文学の本棚に向かった、そして一冊の本を手に取ろうとした時


「あっ...」


京子さんの手に触れた...2人共同じ本を取ろうとしたのだ


「あっ..ごめんなさい!」


僕は反射的に謝った。あまりにもベタすぎる展開に何かを期待してしまった僕は思いきって京子さんに「今度好きな本について教えてほしいです...!」と声をかけた。



「え! ...私の好みで良ければ」


「うん! 京子さんの好きな本が知りたい!」



そうして2人は放課後イオンモールのフードコートに行く事になった



「私の好きな本は~..............」


「凄いね! 僕は.................」


「へ~! じゃあ................」



最初こそお互い緊張してあまり喋らなかったものの、2人の時間はあっと言う間に過ぎていった



「お腹空いたね」


「そうだね、マックでも食べようか。僕が買ってくるよ」


そう言い僕はチーズバーガー2つとポテトのLサイズを1つ買って京子さんの所へ戻る。




「いただきます!」


知的で大人しい京子は自分に自信が無いのかいつもマスクをしていた、そんな京子がマスクを外した所を初めて見た僕は、想像していた何倍も可愛くて胸が張り裂けそうだった。


「僕もいただきます!」


「チーズバーガー大きいね」


「そうだね、口を大きく開けないと」




そうして京子が大きく口を開けた時...





「す...すす......スプリットタンだ!」



大人しくて知的な京子さんは、スプリットタンだったのだ。


「ん? 何か言った?」


「う...うう...ううん? 何も言ってないよ」



(え? スプリットタン!? それってギャルの中でも高純度のギャルがやるやつだよな?)



スプリットタンとは、蛇の舌の様に、舌の先を切除し、舌を2つに分裂させる手術だ。



「ポテトも美味しいね」



そう言い京子は分裂したベロの隙間にポテトを挟み遊んでいる



「そ...そうだね」



(ベロの隙間にポテト挟んで上下してるの...ちょっと興奮する...)


僕は不覚にも普段の京子さんとのギャップとその舌使いに興奮してしまった。


「あ...あの! 京子さん!」


「どうしたの?」


「今度の土曜日、一緒に図書館行かない?」


「ごめん! 土曜日は友達とダーツバーに行くんだ! 日曜日ならいいよ!」



(ダーツバーにも行くのかぁ...)


ギャップがあればあるほど興奮してくる。でも何故こんな人が普段大人しく1人で本を読んでいるんだろう... その疑問を僕は正直に伝えてみた


「ねぇ、どうしてスプリットタンにしてるの?」


「それは......私も他の人見たいに明るくなりたくて、この内気な性格を変えるにはまず見た目からかなって...変かな?」


「いや...変じゃ、無いよ?」



見た目を変えるとはいえスプリットタンは絶対最初にやることじゃないだろ! と僕は心から思った。


「もし見た目から変えたいなら、ピアスとか髪を染めてみたりはどうかな?」


「どっちも学校にやっていったら停学になっちゃうよ」



いや、スプリットタンなんてバレたら即退学だろ。でもなぜだろう......僕は興奮してしまう



「さ、明日も学校あるしそろそろ帰ろっか」


「そうだね、今日は来てくれてありがとう」


「こっちこそ誘ってくれてありがとう!」


2人は席を立つ。ずっと座っていたので京子は手を上げ体を思いっきり縦に伸ばす。すると制服が上にあがり少しだけお腹が見えた。




「へそピ...」




僕はまた1つ興奮した。

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