お遊戯の最後はお片付け


『彼女を取り戻すのだ』

『彼女を亡き者にした世界に復讐を』

『彼女を探さなければ』

『何度も何度も何度も何度も…』


「うるっ…せぇ!」


 頭が割れる様に痛い。蘇生の度にこれだ。良くわからん記憶が頭に流れ込む。何度やられても気分が悪い。クソッタレ。


 繰り返し死に、生き返るうちに【マスターの記憶】が流れてきていると、なんとなく思った。どっかの中世風の建物…ヨーロッパの方だろうか?

 石造りの建物が並んでいる。そしてその通りを進むと処刑台がある。そこで彼女は。


「関係ねぇよクソが!」


 俺は頭を目の前の壁に打ち付けた。少し頭が冴えてきたようだ。血を流したのが良かったのかもしれない。


「あー、一体何が…あ。」


 目を開けると、魔法少女コスプレ女と目があった。おれは丁度、そいつがいる真上で頭を打ち付けていたらしい。


「…」

「…きゅう。」

「おいまてまてまてまてぇ!!」


 今どきそんな気絶の仕方があるかよ!!



―――――――――――



 やはり彼はいい。異常な程に精神の抵抗力が高い。私のオキニイリなだけはあるな。


「しかし、そろそろ飽いたな…ふむ。」


 お助けきゃらとして追加した少女も気絶したままの様だ。まさかトドメを刺したのが彼だとは想像も出来なかったが。


「仕方あるまい。今回はここまでとするか。」


 あそびが終われば片付けをせねばな。我は眼下に手を翳した。



――――――――――


「どうすっかなぁ…俺が死んだ理由もイマイチわかんねぇし…」


 この自称魔法使いが役に立ったのも事実なのだ。なるべく連れていきたいのだが…?


 などと考えていたが、どうやらそんな事を気にする必要も無くなったみたいだ。


「あー…今回はここまで…か」


 結果は明日の朝わかる。俺達が明日もそのままでいられるのかはマスターの気分次第。


――消えたくねぇなぁ…


 俺の意識が…途切れ―




――――――――



「ねー助手くん。やっぱり今回は辞めにしなーい?」


「なんでですか!!ようやく入ったお仕事ですよ!頑張りましょう先生!!」



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或る街で起きた奇妙なおゆうぎ会 サイコfun太 @noto1353

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