選択肢5.「そう、ですか……わかりました! では、わたしもお国のために役立てるような立派な女になります!」と、修行の旅へ。を、選んだ場合。


 わたしは・・・


 足早に部屋へと戻って行く旦那様の背中へと宣言しました。


「そう、ですか……わかりました! では、わたしもお国のために役立てるような立派な女になります!」


 ええ、そうですね。女だからと守られているばかりではいけなかったのです。


「ハッ、できるもんならやってみろ」


 旦那様は笑顔でわたしにそう言ってくださいました。


 旦那様は、このわたしの無知蒙昧さに新しい女性としての道を示してくださったのです。


 というワケで、わたしは……離縁届けと除籍届。わたしのことは亡き者として扱ってくださいという手紙を書き残し、早速修行の旅に出ることにしました。


 旦那様のように、国家に貢献できるような立派な女になるのです!


 まずは、そうですね。毒や薬の知識を活かし、薬師として生計を立てましょう。と、個人所有の宝飾品を売り、薬師を目指して道具を揃え、旅の薬師として各地を回りました。


 疫病や負傷者を癒し、ときには力足らずに見送り――――


 人に感謝され、ときに恨まれ、疎まれました。


 しかし、あのときあのままあの屋敷で貴族夫人として過ごしていては、こんなにも多くの人に出逢い、その命を繋ぎ、救うことはできなかったことでしょう。


 少し前に、有名な熱病に対する効果的な薬の開発に成功しました。国が国家事業として、薬を生産してくれるとのこと。


 国家薬剤師に認定され、新しい薬の開発に着手することが叶いました。


 これで、もっと人の役に立つことができます。


 どうでしょうか? 旦那様……いえ、きっともう離縁されているので、赤の他人ですね。元旦那様。わたしは、少しは国の役に立つ立派な女になれたでしょうか?


 多くの命を救えたこと、あのときわたしの無知を啓いてくれた旦那様へ深く感謝致します。


――――――――――――


 訣別。メリバエンドな感じかも?


 旦那側は、奥さんを探していたけど擦れ違い続けて全く会えませんでした。行方不明のまま死亡届が出されてしまったのに、十数年後に奥さんが有名になり、旦那の家は没落する感じでしょうか。(*`艸´)


 奥さんは満足で旦那視点は無し。お好きに想像してください。(*´∇`*)

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「いいよな。女は着飾ってにこにこしてりゃそれでいいなんて、羨ましい限りだ」と、言われましたので・・・ 月白ヤトヒコ @YATO-HIKO

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