朝日に照らされる渚のクジャク

最高です。軽妙な一人称の文体、登場する車や音楽にこだわる表現の癖、作中キャラクターたちが眺める観念的な(非現実的な)世界の美しさ。ものすごく村上春樹チックだなと思います。

終盤のきらびやかな二人のシーンが美術館に展示されている一枚の絵のようで、この物語全体はその絵を解説する絵物語(歌物語でなく)であるかのようで、2人が辿り着いた渚の美しさがガツンと伝わってきました。

非常に豊かな雰囲気の小説で感動しました。素晴らしい作品をご紹介いただきありがとうございます。