第3話

早いもので5年の月日が流れた。


「また死んでる......」


この世界についてわかったことがある。ここは魔法も剣も存在する異世界のようだ。とはいえ、自分が知っているファンタジーではない。


私の前に死体があるが、これは魔物に殺されたわけでも、誰かに殺されたわけでもない。


木に縄をかけて、首が伸びた人が目の前に存在していた。

そう…自殺である。


この世界はほとんど現世と同じ価値観であるが、まだまだ認知されてないことがある。


それは発達の特性についてである。


この世界にも一つのことに執着し、こだわる人がいる。

前世ではそんな特性を活かして仕事を活躍する人々がいたが、この世界では悪魔つきと呼ばれて忌み嫌われる。


人間は自分が理解できないものを排除しようとする。これはどこの世界も同じである。


「マサ〜、そんなの見てないで、あっちで遊ぼうぜー」


今世の友達に呼ばれて、「はーい、今行くから」と返事をし、その場を後にした。


今のやりとりから分かるように、この世界の価値観では自殺する人が日常である。


この世界の現状を打破したいが…

今はまだ子どもである私には何もできない。


「何して遊ぶ〜」


今は遊びながら、身体を成長させることを力を入れようと思っている。

色々考えることはやめにして、今日も全力で楽しもう。

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異世界マサさん、子どもと戯れる! 虹村玲 @nizinomiya

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