第2話

 生まれてから一ヶ月たった。

 分かったことと言えば、自分の名前ぐらいである。いつも両親から『マサ』と呼びかけられるので、おそらくそうなのだと思う。

 まだ視界はボヤけているので、両親の顔は分からない。

『マサ、×××××』

 母親に優しく声をかけられる。お風呂の時間だろうか。時間の感覚が育っていない私にはわからない。とりあえず返事を返すように、『うぇん』と声を出す。

 優しく着ている服を脱がされていく。

 そうしてそっと首の下に手を入れられ、頭を持ち上げられる。そのままお尻を持ち上げられ、部屋の出口に向かう。 

 どうやら正解のようだ。

 湯煙を肌で感じる。

 お風呂に着くと足の方から優しく入れてもらう。

『あギュ』

 自然と声が溢れてしまう。

 同時に筋肉が緩んだのか、おしっこがちょろちょろと出てしまう。

 それが男の子のものから出ているのか、女の子のものから出ているのか……

 自分の性別はまだわからない。

 前世では男だったが、今世ではどうなのだろうか? 名前から考えると男だと思う。というより、そうであって欲しい。

 今世は仕事はほどほどにして、彼女を作りたいと切に思っている。

『××、×××××』

どうやら今日のお風呂の時間も終わりのようだ。

 お風呂から上がると眠気が襲ってくる。

 とりあえず今は眠ろう……

 おやすみなさい……

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