いわゆる「ざまあ」「復讐」から物語は始まります。
他作品と比べても没入感や感情移入をする前にいきなりトップスピード且つ山場が展開されますので戸惑われる方もいるかもしれませんが心配はいりません。
私たち読み手は「なぜ彼がそうするに至ったのか?」を回想の形で追っていくことになります。
話の中で語られる心情、行動原理、登場人物ひとりひとりが持つストーリーは濃密で、誰もがその世界で生きていることを実感させてくれます。
レベルアップの仕方が独特で商人設定をうまく活かしていますし、商売で関わる人との関係性の築き方なども主人公の性格がしっかりと反映していて読み手に違和感を与えません。
チートもの、とは言ってもただひたすらに無双するのではなく、力に対する覚悟や信念、責任を伴った上で彼は立ち上がります。
1話あたりも総じて長くなく、〆も各話ごとにしっかりされています。長編作品といっても手軽に楽しめます。
流行りものが好きな方もそうでない方も面白味が感じられるように世界観や登場人物が練り上げられていますので、一つでもタイトルやキャッチコピーに好きな要素がありましたらぜひ一度読んでみてください。