第11話 イベントと言えば前夜祭前
あれから一周間、私は毎日の日課のように仮面姉妹と一緒に狩りに出かけて、マシロやユキとの距離感もかなり縮まり、レベルもそこそこ上がって来た頃、明日にあるギルド対抗戦の前に開催される前夜祭に参加していた。
前夜祭は街の中心である、噴水前で行われていて噴水を中心に踊ったり、屋台が出ていた。
「今日はレベル上げ少しだったけどいいの?お姉ちゃん」
「ユイをどれだけ鍛えても、今はまだ光らない︙︙ダイヤモンドの原石と同じ、今日はここまで」
私はマシロとユキの会話を聴きながら先程屋台で買ったりんご飴を頬張る。
りんごの周りについた飴はほんのり甘く、飴に包まれたりんごがシャクシャクしていてとても美味しい。
「でも、ユイはあいつとどことなく似てるような気がする」
ユキの言うあいつとは誰なのかが気になった私は質問しようと思ったが思わぬ邪魔が入り、機会を見逃してしまう。
「ユイちゃ〜ん」と言いながら私の肩をガシッと掴むノエルに振り返りながら注意をしていると、後からカインと、もう一人の女性を見つける。
「ノエル、その人は?まさか、カインさんのナンパ相手ですか?」
私は今までギルド見かけたことのない修道服の様な服を着ている女性の事をノエルに尋ねる。
「ん?あぁ、ユイちゃんは最近訓練森林に入り浸ってたから紹介はまだだったか︙︙。彼女の名前はマリア、うちにいると最高の聖職者よ」
ノエルが自慢げに紹介するマリアの方に視線を向けると確かに聖職者風の格好をしていて、のほほんとした雰囲気を
「こんばんは~、あなたがユイちゃんよね?七つ星に在籍してるうちの一人マリアよ、よろしくね〜」
マリアとのフレンド後、程々に話をしてから私は単独行動する事になった。
キャンプファイヤーは続き、色んなプレイヤーが踊り、肉や酒を飲んで楽しんでいる中、私は一人でこそっと街の外に向い一人黙々とレベル上げに勤しむ。
「こいつで三体目っ」
経験値を多く落とすレア個体を新しく取得した水属性魔法、《ウォーターバレット》を撃ちながら、逃げ道を潰す。
うさぎ型モンスターのアルミラージが跳ねた瞬間を狙い《ストレートストライク》を発動し、剣先で突き刺す。
アルミラージは腹からポリゴンを散らしながら消滅し、剣先が軽くなると同時に《ストレートストライク》の効果が終わり、地面に足がつく。
私が三体目を倒し終わり、事前に買っておいたマナ回復薬を口に含み回復をしていると後ろから声がかけられた。
「その、ちょっと剣先をどけてもらえるかな?」
声の主がいるであろう方向を向くと草むらに大の字で寝そべっている黒髪の青年に私が右手で持つ剣が青年に向けられていた。
「あ、す、すみません」
私は慌てて剣を鞘にしまっていると目の前の青年に話しかけられる。
「君がユイちゃんであってるかな?俺の名前はノア、ノエルからの指示で君を見に来た」
草むらに再び横になる青年をみながら私はバレてたのか、と思いながら目の前の青年に説明を求めるように会話を続けるのだった。
私が始める二度目の人生! マカロン @Makyaron
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私が始める二度目の人生!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます