2 読むと書くがイコールにならない難しさ

 例えば相手に好印象を与える感想が書きたいと考えた時、ポイントを置くのは『作者が触れて欲しい部分に触れる』ということだと思う。

 そしてそれが簡単に見つけられたらいいけれど、見つけるのが難しいこともある。


 よく文法で習うのが『主人公の気持ちを書きだしなさい』や『それ』とは何処の部分を指しているのか、『この中から作者が言いたかったことを述べなさい』などだと思う。

 それはあくまでも文章の読み解き方でしかない。

 その中でも文学と呼ばれる書き方のモノ。

 なので習ったことを駆使したところで、現代の書き方で書かれている小説には通用しない。だからこそ読み解くのは難しいと感じてしまうと思うの。


 とは言え、タイトルの『読むと書くがイコールにならない難しさ』はこれを指しているわけじゃない。

 小説投稿サイトは書くのみの人もいれば読むのみの人もいるし、そのどちらも行っている人もいると思う。つまり物語が好きで、ある程度の想像力を持つ人達が集まっているはずだ。

 そして書き手は素人が大多数を占めており書いたままを公開している為(校正を通していない)、人によって括弧の使い方や改行の仕方や空行の仕方が異なる。

 特にwebではやたら空行の多い作品もある。


 まず国文法で習う字下げは印刷の都合上発生したものであり、それは改行すべきところや空行を作るべきところが正しい時に意味を成すモノ。

 そしてそれは紙を節約するための工夫であった。昔は紙が高価なものだったからなのかな。その辺についてはエッセイを書かれている方がいるので検索してください。


 けれどもwebの場合は一ページに膨大な文字を打つことが出来るし、節約する必要はない。なので理解しやすさという点を考慮しなければ、字下げをしなかろうが一文改行だろうが差支えはない。


 日本語というのは縦組み仕様の文字なので、横組みにすると非常に読み辛くなる。現在は読む時に文字の幅を詳細に変更できるサイト(エブリ)や縦組み仕様で読むことのできるシステムが導入されている為(カクヨムやDAYSなど)、そんなに空行の多い文章を作成する人は減ってきている。

 一時期は詰めていると読み辛いと苦情を書き込む人が多かったらしいが、それは感想ではないし不満のあるものをわざわざ読んでもストレスにしかならないので、文句を言うよりも閉じるべき。


 閑話休題。


 つまり校正を通さないがゆえに自由度は高い。

 なので人によって強調のスタイルは変わる。


 色々と読んだ中で知っているスタイルと言えば、会話文で作者の言いたいことを登場人物に言わせるスタイルや傍点などをつかって強調するスタイル。

 あらすじにテーマとして書かれていることもあれば、あとがきに明確に書かれている場合もある。

 つまり作者が何を伝えようとして作品を手掛けたのか、そのメッセージを伝える方法も様々だということ。


 すなわち『読むと書くがイコールにならない難しさ』というのは、書き手が「自分はこういうスタイルでテーマやメッセージを示している」からと言って、相手の作品に適用は出来ないということ。

 だが性格というのは反映されるので、意識しない限りそれはクセとして出る。

 そしてそれは『この人は何を書いても変わり映えしないな』を生んでしまう要因にもなる。

 内容がどんなに違っても、段々とおなじに見えてしまうということだね。(全体的な構成が似てきてしまう)感想は書きやすくなるだろうけど。

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