神の子
京都 憩
第1話
ここに1組の男女がいた。2人は万引きなどは当たり前。行った軽犯罪は数多く、腕には無数の針の跡、そして紙幣を丸めて呼吸する。もし、神がいたとして、ふたりを見ているなら地獄行きは逃れられないだろう。
2人は、いつしか子供を授かった。
彼らに子供を産むという責任があるのだろうか。
多分、いや絶対ない。
彼らは。
腹の中に子供がいるというのに口から煙を撒き散らし、注射を辞めない、粉を吸う
子供の命をなんだと思っているのだろうか。
女の腹は月日とともに大きくなっていく。
時が経ち、2人は病院に行きエコーで腹の中の子供を見た。
薬のせいだろうか、医者は言った。
「今エコーの反応を見たところ奇形が生まれてしまうかも知れません。奥様、最近強い薬など服用されましたか。」
女は返す「いいえ」
「どうしますか産みますか。それとも…」
・
女は産むの一点張りであった。
これから産まれてくる子供がこんな親の元で生きていくなど可哀想で仕方がない。考えているのは自分たちのことのみなのだろう。他人、親、腹の中の子供のことでさえ。
時間とは、まぁ無慈悲なもので女の腹は膨らみに膨れていき、
とうとう出産の時となった。
一般的な妊婦より女の腹は大きかった。
2人は家でその時を迎えようとしていた。
しばらくすると、
とんでもない痛みが女を襲う。その途端大きく膨らんだ女の腹から長い爪のようなものが出てきて引き裂けた。その避けた部分から胎児とは思えないほど大きな子供。そして頭には角のようなものが生えていた。その子供は男の方に飛びかかり、引っ掻き、首に噛みつき、そのまま噛みちぎった。部屋中を縦横無尽に引っ掻き噛みまわり、血も臓物も子供につられて飛び打ち付けられる地獄絵図。
そうした中、親で血塗られた子供はまさに鬼のよう。
床や壁に飛び散った臓物や血液の
渦巻く炎はその鬼を幽閉する。
神の子 京都 憩 @kurushu9
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます