時空を超える冒険!魔法の旅と神秘の宝石を探す二人の物語

@kazu2134

第1話 出発 - 東京タワー

ハルは東京タワーの足元にあるカフェの窓際に座っていた。カフェからはタワーの鉄骨が朱色に輝く様子が見え、夜のライトアップが始まるのを待っている観光客たちで外は賑わっていた。

「今日、また祖母の日記見つけたんだ。」ハルは窓の外を見ながら、ソラに向かって話し始めた。

ソラは彼女の隣に座り、いつもの明るい声で応じた。「へえ、何か面白いこと書いてあった?」

「うん、祖母が若い頃、日本中を旅して回ったらしいんだ。でも、最後の旅だけは途中で終わってるみたい。なんか、その旅を完成させたいって気がして…」

ソラは興味深そうにハルの話を聞いていた。「それって、どんな旅だったの?」

ハルは小さな日記を取り出し、ページをめくりながら説明した。「ここによると、全国の神秘的な場所を巡る旅だったみたい。最後は沖縄の首里城で何かをする予定だったけど、記録が途切れてるんだ。」

「じゃあ、それを完成させるの?本当に?」ソラの目は冒険に興奮した光を宿していた。

ハルは頷き、心を決めたように言った。「うん、だけど、一人じゃ心細いから、ソラ、一緒に行ってくれないか?」

ソラは即座に笑顔で答えた。「もちろんだよ!冒険は二人の方が楽しいし、何か手伝えることがあればいつでも言ってよ。」

その時、ミコが彼女らの足元にすり寄ってきた。ミコはハルが幼い頃から一緒にいる、長い尾と鋭い目を持つ不思議な猫だ。ソラはミコを抱き上げて言った。「それにミコもいるしね、三人なら何でもできるさ!」

ハルは微笑みながらミコを撫で、カフェの外へと目を向けた。タワーのライトアップが始まり、朱色と白の灯りが彼らの顔を照らした。「そうだね、これから始まる旅のことを考えると、わくわくするよ。」

「明日からのこと、もう計画立ててあるの?」ソラは期待を込めて尋ねた。

「ああ、まずは祖母が最初に訪れた場所、金沢の兼六園から始めようと思ってる。そこから順に、彼女の足跡を辿るんだ。」

ソラはハルの肩を叩きながら力強く言った。「いいね、最高のスタートだ。金沢、行ったことないから楽しみにしてるよ。」

二人はカフェを出て、東京タワーが放つ光の中を歩き始めた。夜の風は少し冷たいが、それが旅の始まりの興奮をさらに掻き立てる。

「ねえ、ハル。旅の途中で見たい場所とか、行きたいところは決めてある?」ソラが歩きながら質問した。

ハルは考え込むように空を見上げ、少し間を置いてから答えた。「うん、もちろんだよ。祖母の日記には色んな場所の名前が書いてあったけど、特に心惹かれるのは、京都の清水寺や、奈良の東大寺だね。それに、自然が美しい場所もいくつかあって、高知の桂浜や宮崎の高千穂峡も行ってみたいな。」

「清水寺かあ、あそこは歴史が感じられる場所だよね。東大寺の大仏も見てみたい!」ソラはワクワクした表情で言った。

「そうだね、でもね、祖母の日記にはただ観光するんじゃなくて、それぞれの場所で何か特別な体験をすることが書かれているんだ。」ハルは日記を胸に抱えながら、その重みを感じていた。

「特別な体験?」ソラが目を輝かせて尋ねた。

「うん、たとえば、京都では古いお寺で禅を学ぶとか、奈良では古式ゆかしい祭りに参加するとか。それに、高知では夜の海を船で出ることもあるらしい。それぞれの場所で、その土地ならではの体験をするんだ。」

ソラは夢中になってハルの話を聞いていた。「それはすごいね!全然普通の旅行とは違うね。それぞれの場所で、その土地の文化に触れられるなんて、最高の思い出になるよ。」

「そう思うんだ。」ハルはソラの熱意に感謝の笑顔を向けた。「そして、この旅で何か大切なことを学べたらいいなと思ってる。祖母が残した足跡を辿ることで、彼女が何を感じ、何を学びたかったのか、その答えを見つけたいんだ。」

「ハル、きっと祖母さんも喜んでるよ。こんなに素敵な孫がいてね。」ソラはハルの肩を軽く叩きながら、心からそう言った。

二人はもう少し東京タワーの下で夜景を楽しんだ後、明日の旅立ちに備えて帰路についた。東京の夜は更に深まり、星空が二人の新しい冒険に祝福を送っているかのようだった。彼らの心には期待と不安が交錯しながらも、前向きな希望で満たされていた。この旅が彼らにとってどんな意味を持つのか、その答えを求めて、二人の壮大な旅が始まろうとしていた。

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