第7話 入学6日前 -五月と紗季- (五月side)
あたしは最近できた友達、
紗季さんはあたしの年上。お兄と同じ年齢だった。
双子のお姉さんと一緒に同じ高校に入学するから、こっちに引っ越してきたんだって。
紗季さんはとってもきれいで、女子のあたしから見ても綺麗で可愛らしさがのよね。
胸もあたしと違ってちゃんとあるし、あたしのなんちゃって清楚と違って、彼女は言葉やしぐさが本当に清楚なのよね。
あたしが清楚な女の子を演じ始めたのは、小学生のころだったかな?
クラスメイトから『五月ちゃんってお嬢様みたいな見た目だね』と言われたことがきっかけだったの。
それからというもの、外ではずっと清楚な女の子を演じ続けているわ。
家で素を出しているのは、お兄に『マジでやめてくれ』と懇願されたんだよね。
お兄に、清楚なんて演じて疲れないのかって聞かれたことがあるけれど、あたしは全然、寧ろ違う自分になれることが楽しいと思ってるの。それぞれの場面で違う自分を楽しんでるってわけ。
あたしと紗季さんの出会いは、数週間前、紗季さんが駅前でナンパされて困っているところをあたしが助けたんだ。
まぁ、その時にいつものお嬢様スタイルじゃなく、素で対応したから、紗季さんにはこれがあたしの素の性格だってバレてたんだけどね。
それ以来、なんだか仲良くなって、今ではこんな風にお互いの家に遊びに行く関係になったわ。
で、今日もお呼ばれしたってわけ!
「そういえば紗季さん、お姉さんは?」
「姉さんは今日は実家に帰ってるの。お昼くらいには帰ってくるかしらね。」
「大事な用事でも入った?」
「ううん、引っ越しの荷物で入れ忘れたものがあるんだって。ふふ、五月ちゃんに会えなくて悔しがってたよ。」
あら、ちょっと残念。
紗季さんのお姉さんは、紗季さんとは正反対でイケメン女子っていえばいいのかな?立ち振る舞いとかがカッコいいんだよね。
近くにいたら女子のあたしでもドキドキしちゃうもん。
もちろんお姉さんとも仲良しになったよ。
「そっかー、残念だったなぁ…。お姉さんってカッコいいけど、あんまり可愛い服とか着たりしないから、可愛くしてあげたかったのになぁ。」
「五月ちゃんったら。」
「だってこの前、あたしの服着せたら顔真っ赤にしてすごく可愛かったんだもん。なんでこのスカートこんなに短いの!?ってさ。」
「ふふ、本当に姉さんはスカートとかあまり履かないものね。大体はパンツスタイルだから、私みたいにスカートを好んで着ないのよね。」
「ほんと、脚綺麗なんだから隠さないで見せつければいいのに。」
あたしは紗季さんとおしゃべりしながら、早くお姉さんの恥ずかしがる姿を見たいなと、紗季さんと時間を過ごしていった。
だってアタシが彼女だから みっくすP @MixP1125
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。だってアタシが彼女だからの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます