アマテラスの元へ行くか⁉



「慧君が名探偵なら、アタシは助手かぁ。頑張らないと! さぁさぁ調査を開始しよう!」



「とりあえず、どうするんですか?」



「とりあえず~、アマテラスさんに話を聞きに行ってみようか!」



 アスカはそう言ってアマテラスの居る部屋に向かっていく。



 あわてて慧はアスカを止めた。



「ちょっとちょっと! 聞きに行くっていったって、相手は神様ですよ? そんな軽い感じで行くんですか⁉」



「うん、なんで?」



「なんか、準備していった方が…正装していくとか」



「そんなの大丈夫だよ、制服着てるじゃないの。アマテラスさんは怒らないって、絶対優しいから!」



 アスカは慧の袖をちょいちょいと引っ張る。



「なんで言い切れるんですか? 会ったことないですよね?」



 慧は引っ張られている袖をクイクイと引く。



「会ったことないけど、分かるよ。だってアマテラスさん美人だもん!」



「………‥はい?」



「美人に悪いひとはいない!」



 フンとアスカは胸を張る。



 慧の読む小説には悪い美女がたくさん出てきたりする。むしろ悪女とは軒並み美女だ、物語の中では…。



 だからアスカの言い分はよくわからない。



「そうでしょうか…」



「だってケイコちゃん美人でしょ? そう思うでしょ?」



「はい、それはそうですね」



「ケイコちゃんすっごい優しいじゃない?」



「はい、それはそうですね」



「だから大丈夫だよ!」



「いや、それはどうかな~」



 確かにケイコは美人だ、優しくもある。しかし説得力はない。



「まぁアタシもそうじゃない? だから大丈夫ヨ!」



 アスカはかわいらしく指で自分のほっぺをつついた。



 その姿は確かにかわいかった。彼女も確かにかわいい美人だ、いつも笑顔で元気だし愛嬌もある。常に気を遣って周りを楽しませようとしている。誰からも愛されそうな人物だ。



 彼女も優しくもある。それは間違いない。しかし一向に説得力はない。



(まぁ、狂ってると言われれば説得力がありますけどね)



 アスカもケイコも割と狂気を持っている女性だと慧は思っている。



 それでも彼女らの魅力はそんなところだと慧は理解している。



「悩んでても仕方ないんだから、レッツゴー!」



 どう言おうが、結局は慧はアスカについていくしかないのだ。



 階段を上がっていると、降りてくる女将と会った。



「あ、女将さん。 今からアマテラスさんの所に話を聞きに行ってきます!」



「例の件だね。頼むね。他のことはやっておくね。慧君もお願いね」



「はい、何ができるかわかりませけど」



 女将は微笑んだ。



「お願いね名探偵たち」

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