今日が終わらない⁉
お昼ごろ、カフェに来る客が増えてきた。
客たちはランチを食べに来るものが多いようだ。
「お腹すいたね、ここで食べてこうか。メニューもらってくる!」
レナは素早く店内に戻っていった。
レナは卵サンド、慧はパスタを注文した。
「うわぁ、美味しそう! 焼き目を付けたパンで作ったサンドイッチと、そのままの二種類があるんだ!」
焼いたパンはスクランブルエッグをサンドし、焼いてないパンはゆで卵をつぶしてマヨネーズとからしを和えたものをサンドしている。
「慧ちゃんのパスタは冷製パスタだ、そっちも美味しそう!」
パスタは細めで、タコやエビのシーフードにトマトソースが絡めてある。
「おしゃれなランチ」
「いただきます!」
レナはサンドイッチを頬張る。
「う~ん、サクサクで美味しい!」
レナはもう一つの方を食べる。
「こっちはフワフワ!」
女子は実に美味しそうに食べるものだと、慧は感心する。
アスカの言っていたとおりである。
そしてそんな人と食べていると、食事はよりおいしく感じる。
「慧ちゃんのも一口!」
レナはパスタもぱくりと食べた。
「こちらも美味しい! 良いお店見つけちゃったなぁ」
会話は止まらない。
時間はあっという間に過ぎていく。
「さぁ、そろそろ帰ろうか」
名残惜しそうにしながらもレナは車に乗り込んだ。
「もう少し居たかったのに…」
その気持ちは慧にもある。
しかし帰りは遅くなるのはお互いにとって良くない。
楽しい時間というものはあっという間に過ぎていく。
「今日はありがとう」
「ううん、私のほうこそありがとう! 久々にリフレッシュできたよ」
「またね」
「また帰って来るからね」
「また連絡するよ」
「いつでもどこでも、何でもどうぞ~! じゃあね!」
レナは帰っていった。
「ただいまー」
慧は家の扉を開けた。
慧にとって久しぶりに誰かと遊びに行った日。
しかし慧にとってまだこの日は終わらなかった。
入浴、夕食後のこと、それは起こった。
「さて、そろそろ寝るか。明日も休みだからゆっくり寝てよう」
その時、
何か気配を感じる。
「まただ、この感じは⁉」
どこか、この間の感じと似ている。
それは次第に強くなった。
背後に、何かを感じる。
恐る恐る振り返る。
「‼」
驚くべきものを目にした。
ありえない、はず。
そんなわけはない、はず。
しかし見落としていた可能性。
「うわぁ!」
自室で大声を出してしまった。
バタバタと祖父が部屋に飛び込んでくる。
「どうした⁉」
急いできたのか、武器になるものを持ってきたのか、祖父はテレビのリモコンを握っていた。
「い、いやなんでもない! 物を落としそうになっただけ!」
「そうか…………?」
祖父は納得いかないような顔をしながら部屋から出ていった。
フウと呼吸を整える。
「心臓止まるかと思った」
慧は視線を「その先」へ向けた。
「なんで、ここにいるんですか?」
慧は部屋にいる彼女に声をかけた。
「ケイコさん」
慧の部屋には、なぜかケイコがいたのである。
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