旅館の仲間たち

女将

 慧とアスカは女将のいるカウンターに戻ってきた。


「女将さーん! 慧君にもうばれましたー!」


 アスカはカウンターで作業している女将に声をかける。心なしか楽しそうである。


「おやまぁ、早かったねぇ」


 女将はオホホと笑った。女将も楽しそうである。




 二人は期間中どこかくタイミングで慧が旅館について知ることを予想していたようである。


「どこで気が付いたんだい?」


 女将さんが興味深そうに慧に尋ねる。


「ええと、幽霊にあったんです。女の。あと丸っこい小人みたいなのを見たんです、レクリエーションん室で」


「幽霊・・・?」


 女将は首をかしげる。


 慧は女将の様子を見て慧は不安になった。


(もしかして見ちゃいけないモノだったりして・・・?)


「きっと彼女ですよ、ケイコちゃん」


 アスカが名前を出すと、女将は納得したように微笑んだ。


「あの、ここって人間以外もいるんですよね? あの大きいお客様もそうですか?」


「あぁ、ダイさん! そうだよ、ダイさんは妖怪だよ。うちの常連さんなんだ~」


「やっぱそうですよね」


 合点がいった。あんなに大きい人間はいないのだ。むしろ妖怪で良かったと思った。


(雰囲気怖いけど)


「そうだアスカちゃん、今日は旅館にいる人を紹介してもらえるかい? もう隠すこともないからね」



「了解しましたー!」


 アスカは敬礼して応える。


「じゃあ、慧君。ここで働いている人を紹介するね! まずは女将さん!」


「はい、女将さん」


 改めてアスカに紹介された女将は丁寧にお辞儀をした。


 頭に着けたかんざしがきらりと光る。


「ここの責任者だね。で、女将さんも人間じゃないからネ!」


「え⁉」


 慧は目を見開く。


(まぁ、確かにここまで背が小さい人ってなかなかいないもんな、だから人間じゃないっていうのはおかしいけど)


 見た目は関係ないと慧は言い聞かせた。




 女将は面白そうに笑った。


「そんな大したもんじゃないよ」



「女将さんはね、一言で表すなら魔女だね」



「魔法が使えるんですか?」




「魔法というか、まぁ私達みたいな人間にはできないことができるよ」


 そうアスカが言ったところで、先ほど慧がレクリエーション室で見た小人たちがト

コトコと小走りで近づいてきた。

「おかえり、みんな」

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