純文学的異世界ファンタジーBLに震えます

一般的なWeb小説やBLの作法を敢えて無視しているのであろう本作は、読者を篩にかけるのでしょう。しかし残った活字中毒者にはたまらない仕上がりになっています。

豊かな語彙、五感に再現される情景、飽きさせない展開と毎日更新が楽しみでなりませんでした。

全編を通して舞台は狭く暗く、人間関係も閉ざされています。社会的な人間性をそぎ落として残った主人公の情念、執念は独善的で破滅的です。本作は文章からこの主人公の狂った倫理観に中てられる快感があります。