【短編詩】遠い

綿来乙伽|小説と脚本

お兄さん、

目を覚ませば緑

気が付けば森にいた

知らない森の中

知らない場所

私は何をしにここへ?

知らない鳥

知らない木

知らない、お家



綺麗なお兄さん

手招きして

吸い込まれてしまう

綺麗な花達

微笑んでるお兄さん


素敵ね


儚く消えてしまいそうなお兄さん

私はあなたが

天使に見えたのです




天使は時に残酷と聞き、

お兄さんは

お兄さんは、

どう?


お兄さん

お兄さん

お兄さん

お兄さんこれ

誰?

これ

誰の血?


人には欠点が必要なんだ

お兄さんの欠点はなに?

僕?

僕の欠点は


「これはね、仕方の無いことなんだよ」

「仕方の無いこと?」

「そうだよ。誰も悪くないんだ。この子達も、君も、そして、僕もだよ。」


走り出した

私は走り出した

知らない森を

知らない森の中を

とにかく遠くへ

とにかく離れて


あっ


お兄さ


苦しい

お兄さん

お兄さん、誰?


あっ

花を探して

花を探してたんだ


あっ


お兄さん

お兄さんさ、

優しいお兄さんじゃない


は、

はな、を

私は

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