第23話

私と日向の殺し合いが、始まった――。


そんなわけない。


日向は魔女の首を斬った。


「は…?なぜだ!我の催眠魔法は完璧なはずだ!」

いや、なんで首斬られてるのに喋ってるの?

「そもそもかかってないし。」

「かかってる振りをしてたんだよねー」

「無茶なお願いだったけどねー」


27層で休憩してた時、

『夜月、ボスが催眠魔法使ってくるんだけど』

『かかった振りしといてー。』

『……はーい』

っていう短いやり取りがあったんだよね。魔女も見事なまでに騙されてくれて良かったよ。


魔女はまだ生きている。

「こうなったら奥の手だ!」

奥の手ー?あ、魔女が消えた。

実体がある幻術みたいな感じだったのかな〜?あれ?幻術に実体があったら幻術じゃないんじゃ…?………まぁいいか。

えーっと、魔女の本体はどこかな〜

「我の毒を喰らって生きていた者はいない!」

えーっと、声はするんだけど……こういう時って大抵下の方に

「小さ!」

蟻レベルの大きさだ。どれどれー、鑑定。


[ポイズンアント]

〈スキル〉

毒生成

毒発射

毒無効


あー…やっぱり毒かぁ。それじゃあ、遠くから攻撃かな。

流星スター直星ストレート

ポイズンアントは躱した!

「この速さを避けるとかマジ?」

日線ソーラービーム

掠った!

「危な!」

「光の速さだよね?」

「普通避けれないって。」

「我の毒を」

「仕方ない。スキル、速度変化スピードコントロール流星スター直星ストレート。」

「喋ってるさいグハッ」

ポイズンアントは倒れた。

「やったー倒したー。」

「すごい棒読み。」

ポイズンアントがラスボスだったみたいだ。ダンジョンを踏破した。


転移テレポートで地上に戻った私達はまた歩き始めた。


「久しぶりにステータスでも見ておこうかな。」

手のひらにSの字を書き、ステータスを出現させる。


【夜月】

魔法適性:昼以外の全属性

マナ 20000000/350000000

〈スキル〉



なんか色々と増えてる。奪月を使ってないけど増えてる!


あれ?もしかして鑑定と同時に発動しちゃってる?……ま、いいか。あって損するものじゃないし。


「次はどこに行こうか。」

「のんびり歩こー。」

「そうするかぁ。」

「そうしよぉー」


私達はまた歩き出す。目的も何もない旅。だからこそ、楽しいんだ。

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2度目の異世界、役立たずと言われたので好きに生きていこうと思います 夜影空 @koasyado2

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