「それに……」
博士は話を続ける。
「植物の花の場合は、寿命が尽きるまで咲いたままの姿を維持しています」
「そして、寿命が来たらポトリと落ちる」
「人間の場合は、生殖可能な壮年期の姿を維持している」
「しかし、寿命があとどれ位かが分からない」
「決して不老不死では無いのです」
「しかも、歳を取っていた彼方が薬を飲んだ」
「だから寿命が、薬を飲む前の余命なのか? 飲んで若返った後の余命なのか?」
「誰にも分からないのです」
「もしかすると、明日寿命が来てコロリと死んでしまうかもしれません」
「こまま、若さを保ちつつ何十年と生き続けるかもしれません」
「普通の人間は事故や自殺を除けば、老化や病気で死期を感じる事ができます」
「しかし、彼方はこの先いつ死ぬのか分からないまま、死の恐怖に怯えて生き続けるのです……」
博士は悪魔の様な冷たい顔でニヤリと笑った。
作者からの返信
物語の先を考えてくださってありがとうございます!
面白い!
この展開だとホラー強めになりますね!
博士がマッドサイエンティストですね(笑)
オーズ氏、お金あるんだから養子でも育てましょう。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
確かに!と思いました(笑)
この夫婦には幸せになってもらいたいものです。