第10話 海外の探索者

 そんなこんなで受け渡し当日になったので管理局に向かった俺はアイテムボックスにお土産を携えてウキウキ気分でいた。


 千葉の管理局の周りは厳戒態勢で自衛隊や警察、一般の探索者までが駆り出されていて大事になっているようだな。マスコミも聞きつけているようだしなんだか目立ってしまいそうだな。まぁ受け渡しの時には別室待機だし関係ないか。


「あー松林さんいらっしゃいましたか、一応あちらの部屋でも受け渡しの場面が見れるようにモニターを用意してますから。ごゆっくりご覧なさってください。」


「優月さんは今日も換金ですか?お疲れ様です。」


「さすがに今日はこちら側ですよ。一応事情を知っている関係者ですから...なんだか大変なことになってしまいましたね。」


「まぁ俺もここまで大事になるとは思ってなかったんですが…まぁなってしまったもんは仕方ないので諦めてます。皆さんにお手を煩わせてしまう結果になってしまって本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。」


「松林さんは悪くないので謝らないで下さい。そろそろアメリカのStrength Authorityストレングス・オーソリティの皆さまがお越しになられますので別室にてお待ちください。」


「わかりました。よろしくお願いします。」


 海外の探索者か動画でしか見たことないがどんな人なんだろう。見た感じだと狂犬ってイメージが強いけどクランを率いるくらいだし強さだけの人じゃないんだろうな。


「愛香さんに会えなかったな。まぁどっかで会えるだろうし今はモニターを見ておくか。」


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「Welcome to Japan Strength Authority. How was your flight?」


「Good. Let's get to work.」


「初めましてバーバラ・ガルシアです。日本語で大丈夫ですよ。」


「そうですか助かります、あまり英語は得意でないもので。私は今回の責任者で能美 和義と申します。早速ですが受け渡し場所へ向かいましょうか。」


「ええよろしくお願いします。それにしても今回の品は素晴らしい性能ですね。我々が最も欲していたものといっても過言ではないものです。どこで手に入れられたのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「私も存じ上げておりません、出品者が情報をとても大事にする方のようで、我々も入手経路はある程度調べましたが不明のままです。」


「そうなのですね。残念ですこのアイテムはいくつか欲しかったのですけれど。出品者に会わせて頂くこともできないんでしょうか?」


「今回も代理を立てる徹底ぶりですから、お会いする事は難しいと思われます。」


 日本のSランクであれば名前を隠すメリットが見当たりません、一体何者なのでしょうか。


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「これ俺いる意味あるんだろうか。別に来なくても結果だけ教えてくれればよかったのに。でも特に来てくれとも言われてないな。俺のせいか…」


 暇なので自分のステータスを確認していたら、部屋の電話が鳴った。


「はい松林です。」


『緑川です。Strength Authorityストレングス・オーソリティの皆様がご到着されましたのでご報告のお電話です。モニターにそろそろ映るかと思われますのでよろしくお願いします。』


「わざわざありがとうございます。すみません一つ聞いてもいいですか?」


『はい。どうかなさいましたか?』


「今日って俺別に来る必要は無かったんですかね。」


『そうですね。特にいないといけないというわけではありませんが…』


「そうですか。わかりましたありがとうございます。」


『では他に質問が無ければ失礼いたします。』


「大丈夫です。ありがとうございました。」


 やっぱりか、愛香さん会えるとに浮かれてそこまで頭が回らなかった。まぁいいか無事に受け渡しが終わったら挨拶できるように頼んでみよっと。


「お、映ったな。この人たちがアメリカの…強そうだなぁ。」


『カメラがあるようですが必要ですか?この場をあまり見られるのは良くはないかと思うのですが。』


 音声も拾うのか、というか入ってすぐカメラに気付くところなんかはやはり1流の探索者流石だな。


『このカメラは出品者しか見ておりませんのでご安心ください。』


 能美さんが案内役なのか、Aランクだし適任と言えば適任だな。


『There's someone nearby who looks strong.(近くに強そうなやつがいるな)』


『多分Sランクの牧田 愛香さんの事かと…護衛として近辺を巡回してもらっていますので。』


「この人そんなことまでわかるのか獣並みだな。」


『早速現物を見せて頂けますか?疑っているわけではないのですが一応我々の方でも鑑定させてもらえるとありがたいです。』


『もちろん大丈夫です。お持ちします。』


『こちらがSSSランク【賢者の水】です。』


『鑑定の結果は間違いなく本物ですね。効果を考えると安く感じます。』


『能美さん!お話し中の所失礼します。緊急事態です。』


『そんなに慌てて何があった。』


『襲撃です。何者かが複数名武装してこちらの建物に近づいています。一般の探索者では歯が立たず、MARSの皆様が対応しなんとかなっている状態です。』


『きたか。中国の手のものだな。私も出よう、Strength Authorityストレングス・オーソリティの皆様を安全な所へご案内してさしあげろ。』


『我々も手を貸しましょうか?我々の品が狙われているようですし。』


『それには及びません我が国で起きた問題はわが国で解決いたします。』

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時間の速さが現実とは違うダンジョンに潜った俺気付けば最強だった。 スーパーレモンX @remonadeX

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