第9話 オークション結果
次の日朝一番で管理局に向かいオークションの結果を聞きに行ったのだが、なんだかここ混んでないか?土曜日だからってこんなにたくさん来るもんか?
「松林です。失礼します。」
「あぁ松林君入ってください。申し訳ないどこからか昨日のオークションに出された出品物がここからと漏れてしまったようで少し騒がしくなっていて。」
「だからあんなに混んでいたんですね。それにしてもなぜここからだとばれてしまったんですか。」
「お恥ずかしい話上も一枚岩ではないという事です。多分探索者達に金を握らされたのではないかと。ただ誰が出品したかは私と換金所の緑川しか知らないから漏れようがないので安心して下さい。」
まぁ大人の世界だこんなこともあるだろう。そんなことよりもオークションの結果だ。
「オークションは結局どうなったんですか?」
「驚かないで聞いて欲しいんだがまずはBランクの【雷剣】は5千万の値がつきました。Aランクの【魔法のローブ】は1億2千万。最後にSSSランク【賢者の水】こちらは80億。合計で81億7千万です。」
マテマテBランクとAランクはある程度予想内なんだが、SSSだけおかしくないか。俺の計画が全然意味を成していないじゃないか。いや、SSSがこの金額ならSランクは高くても数億といったところだろうな。計画とは違うがある程度低ランクのアイテムはましな金額になるか。
「高すぎませんか?」
「いや実は海外の方で競り合いがあったみたいで最後の最後まで金額が吊り上がったようなんです。中国とアメリカはお金がいっぱいあるようで…羨ましい限りです。」
「こういうのはどうやって買い手の所に送られるんですか?」
「日本だと近くの管理局まで配達をするんですが海外の買い手はなぜか自分たちで取りに来るからそこから動かすなと言ってきかないんですよね。まぁ運送費もかからないのでこちらとしては楽ですけど。」
「問題にならないんですか?多分ですけど探索者がしかも高ランクの人がくるんじゃないんですか?」
「結構大ごとですよ?なんせ80億もの品ですから。今回はアメリカのSランク探索者であるスミス・パワード率いる
「Sランク探索者がわざわざ来るんですね。日本でも今のところ5人しかいない珍しいSランクしかもクランマスターですか。でもニュースとかで見る限りあの人超パワー型のように感じたんですけど。」
アメリカのダンジョンで120階層を一人で攻略しているとかなんとかで世界最強の呼び声も高い有名な探索者だ。身の丈ほどある大剣をぶん回す動画を見たがあれは人を卒業していたな。まぁ俺ほどではないがな。
「あのクランには魔法使いでSランクのバーバラ・ガルシアが属していますからね。なんとしてもあのアイテムを手に入れたかったんでしょう。」
「一つのクランにSランクが2人ですか、随分他を圧倒してるんじゃないですか。」
「アメリカでは敵なしのクランだと聞いてますよ。パーティでダンジョン攻略は非公表ですが150階層に到達していると噂されています。そんなクランが来週には来るってことで日本政府も慎重に準備を進めています。なんせ税金が3億2千万も入ってくる大仕事ですから。」
「5%ですっけ。なんだか金銭感覚がおかしくなりそうです。受け渡しがすんだら俺の登録証に入金がされるんですよね。」
「そうです。来週末には受け渡しが完了すると思いますので楽しみにしておいてください。それにしてもこんな短期間でCランクにオークション最高落札価格更新、ダンジョン攻略を何年も行っているかのような…いやそんなわけないですよね。」
意外と確信をついてくるなこの人。さすがにAランクなだけある。
「ダンジョンができてまだ1年ほどですよ。自分は運がよかっただけです。」
「そうですよね、それでもなんだか松林君には今の私が逆立ちしても勝てないような気がするんです。強者特有の雰囲気みたいなものをここ二日で感じたんです。」
「中国は素直に諦めてくれるんですか?あの国ダンジョンができてからやばいって聞いてますよ。」
ニュースなどで中国が他国相手に探索者を利用し領土侵犯をしたやら法律で無理矢理ダンジョンに潜らせてレアアイテムを持ち帰らせるといった無理難題が報道されていた。社会主義国家ならではだとは思うがそれでもひどいなと思ったもんだ。
「そこを政府も心配していてSランク探索者の牧田 愛香さんのパーティに護衛依頼をすると議題に上がっています。我が国の威信にかけて受け渡しの邪魔はさせないようにいたします。」
やったぜ!愛香さんにまた会えるのか。何かお土産でも用意した方がいいかな。
ちょっと良いアイテムでも用意しておこう。よしよしそれでいいだろう。
_牧田 愛香のことになると極端に頭が悪くなる松林であった_
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます