第119話
ここから先に語る内容は、自分が戦後に知った話が多分に含まれています。
当時の自分は何も知らないまま、レミさんのご助力でオースティンに帰国しました。
あの時、政府軍に何が起こっていたのか。
自分が政府軍に捕虜として拘束された後、どうしてシルフが総撤退を選択したか。
それについて分かる範囲で、簡単に説明しておこうと思います。
今回のヨゼグラードの戦いについて、きっと歴史の教科書にこう書かれることでしょう。
『サバト旧政府軍は革命軍の戦力を見誤り、兵站を確保せずヨゼグラードに侵攻した結果、完膚なきまでに大敗した』と。
この戦いをきっかけにレミ・ウリャコフは政権を奪取し、議会制を導入した新しい政治形態を進めていくことになりました。
この世界で初めての、共産主義政府が樹立した瞬間です。
そして、その後のサバトは……自分の知る共産主義国家の歴史をそのまま歩むことになります。
レミさんは目的のためなら殺人すら厭わない理想主義者でしたが、同時に稀代のカリスマでもありました。
もし彼女さえ健在なら、その暴力的な求心力でサバトに共産主義を根付かせる事ができたかもしれません。
彼女の狂信者だけの国を作るという、シルフが言っていた共産主義国家を実現する為の条件を満たせた可能性があったのです。
ですか、不幸なことに。
数年後、レミさんは志半ばに、病魔に倒れる事になります。
そして彼女が目指した「平等な社会」を実現するために、再びサバトは混乱に陥ることになるのですが、それは別の話です。
このサバト史上最悪の一年間を絵に描いた元凶は、オースティンの参謀本部にいる一人の男でした。
ベルン・ヴァロウ参謀大尉。彼は狡猾で残忍な愛国者で、自他ともに認める悪人でした。
彼の謀略により多くの犠牲が出た結果、サバトは脅威ではなくなりました。
歴史に残る大量の虐殺が行われたこの1年は、ベルンにとって満足な結果かと思っていたのですが……。
実はこの結末も、彼の想定からは大きく外れていたのです。
シルフ・ノーヴァが違和感に気づいたのは、ヨゼグラードで少しずつ戦線を押し上げていた頃でした。
彼女はヨゼグラードの戦いを短期決着させるため、秘策を勘案し続けていました。
その時から、疑問に感じてはいたのでしょう。
ここまで急に、敵に付け入る隙がなくなるものかと。
以前シルフは自分から、オースティンの内情について聞き出していました。
その中で自分は、ベルン・ヴァロウについて話していました。
と言っても「彼にサバトの反政府組織の人間と引き合わされました」とか、「とても頭が良いらしいですが、悪い人だと思います」くらいの内容ですが。
当時自分はベルンとあまり接点を持っていなかった為、話せる内容が少なかったのです。
しかしその僅かな情報だけで、シルフはある可能性に思い至っていました。
それは、
「ベルンという奴がトウリに引き合わせた女性というのは、まさか労働者議会の指導者ではないか?」
オースティンと労働者議会が、最初から繋がっていたという可能性です。
尤もこの時点でそれは推測でしかなく、シルフも軽く頭に留めておく程度でした。
しかし、労働者議会とオースティン政府が同盟を宣言した瞬間、シルフの中でそれが確証に変わりました。
「やはり繋がっていたか」
聡明なシルフは、ベルン・ヴァロウこそ今回の革命劇の絵を描いた人物であると見破ったのです。
それも、ほぼ確信に近いレベルで。
「確かに、有効だ。
敵の反政府組織を支援して、内部崩壊させる策。
参謀将校なら一度は夢見る、自らの戦力をまったく消耗しない魔法の一手です。
サバトはベルンに、一杯食わされた形になるでしょう。
それに気づいたシルフは、オースティン参謀本部にいるだろう
彼女が、ベルン・ヴァロウの介入に気づけた理由は、他にもいくつか有りました。
まず市街戦になった瞬間、敵の布陣にまったく隙がなくなったのも不可解でした。
シルフからすれば、チェスの相手が急に変わった様な感覚でしょう。
────革命軍に、入れ知恵をしている存在がいる。
となれば、シルフと互角に
この時代の通信設備は貧弱でしたが、数日かければオースティンと通信は可能でした。
恐らく、途中からベルンが遠隔で指揮を行い始めたのだとシルフは読みました。
「だが、ヤツも介入が遅すぎたな」
ベルン・ヴァロウは、サバトで『最悪の敵』として有名でした。
南部戦線を非人道的な手腕で突破した「悪魔の申し子」として、悪名を知られていたのです。
ベルンの指揮ならば、ここまで隙がないのも納得です。
「だが、もう勝勢は決している。今更ヤツがどんな奇策を練ろうと、我々の勝利は揺るがない」
ですが、それでもシルフは慌てませんでした。
流石の彼も、介入が遅すぎたのです。
既に政府軍の勝勢は決していて、レミさんは時間を稼いでいるだけの状況でした。
後はシルフが何か大きなミスをしない限り、政府軍の勝利はほぼ確実でしょう。
「我々を舐めすぎたな、ベルン・ヴァロウ────」
その代わり。
首都はきっと火の海になり、凄まじい数の市民が犠牲にはなりますが。
「……」
このまま戦えば、政府軍は勝利を手にするでしょう。
しかし、少々腑に落ちないことが残っていました。
ベルン・ヴァロウの才覚が聞いたとおりであれば。
これほど隙が無い陣形を指揮できる、優秀な指揮官であるならば。
今の状況で守りに徹するのではなく、何かしらの博打策を打ってくる筈なのです。
このままゲリラを続ける限り、革命軍に勝ちの目は無いでしょう。
ただ時間をかけて、嬲り殺しにされるしか未来は無いのです。
逆転を狙いたいのであれば、政府軍の急所を奇襲して然るべきなのです。
なのに革命軍は亀のように防御策を講じ、勝利を目指してきません。
「……まさか、な」
シルフはチラリと頭をよぎったその考えを振り払い、攻勢を指揮し続けました。
1週間かけて少しづつ戦線は押し上がり、革命軍は悲鳴を上げ始めました。
そんな中、政府軍は制圧した敵の通信拠点と思しき施設から、とあるものを発見しました。
それは焼け落ちた敵の通信施設に保管されていた、文書の一部です。
……その文書の内容を報告され、シルフは顔が真っ青になったそうです。
それは、レミ・ウリャコフとオースティン軍の将校との間の通信記録。
その内容は、襲撃予定の政府要人のうち、
「おい、嘘だろう」
有能な政治家は、集中的に狙い殺され。
欲深く頭の悪い政治家こそ敢えて逃がし、政府軍に保護させるという謀略が、そこに記載されていました。
つまり、ヨゼグラードに政府軍が出撃している今の状況すら、ベルンの掌で転がされている事になるのです。
────そしてシルフは、その謀略のさらなる奥底。
ベルンの思い描いた真の目的に、思い至りました。
「……まさか、まさか!」
きっと彼女は、背筋が凍る思いだったでしょう。
人間に、この様なことが思い付けてしまうのかと。
いいえ、思い付いたとしても実行に移してしまえるのかと。
「ベルン・ヴァロウ。貴様は────」
……ここまでは全て、この男の想定通りだったのです。
政府軍が冬季攻勢に出る事も。
革命軍が敗北を重ね、市街戦に持ち込まれて窮地に陥っている状況も。
そう。この男は労働者議会を支援してはいましたが、決してその革命を成功させたかったわけではありません。
「わざと、負けていたのか、貴様はっ!!」
彼は途中から、政府軍に入れ知恵を始めたのではありませんでした。
通信施設には、ベルンがルソヴェツ要塞の防衛戦略から、ヨゼグラード前の防衛網の敷き方まで、細かく助言していた記録が残っていたのです。
革命軍の、ヨゼグラードでの防御戦術は素晴らしい完成度でした。
一分の隙もない程に、正確で綿密でした。
これほどの指揮を遠隔で行える指揮官が、北部決戦でタール川を奇襲に使った彼が、凍河上をソリで奇襲するなんて作戦を見落とすはずがありません。
つまりベルンはわざとシルフの策に引っ掛かり、政府軍をヨゼグラードに誘い込んでいたのです。
────1人でも多くのサバト人を、殺傷するために。
信じられるでしょうか。
彼はたった一人で、この地獄絵図をキャンバスに描いていました。
これは、いかに「サバト国民に被害を出すか」だけを突き詰めた謀略です。
常人なら思い付いたとしても、まずやろうとは思わないでしょう。
百度地獄に落とされたとしても、文句を言えない悪行です。
「……奴の目的が虐殺なら、次はどうする? どう動く?」
シルフは、ベルンとほぼ互角の頭脳を持っていました。
なのでこれだけの情報から、奴がどんな手を考えているかを導き出せました。
「今、オースティンが欲しいものは何だ? 土地か? 物資か? いや、違う……!」
天才シルフをして、背筋を凍らせた悪魔の戦略の終着点。
それは、
「
この時代で敗戦国は、領土だけではなく人間も奪われます。
植民地化した領土からは、敵国民を奴隷として連れ去るのが当たり前です。
戦争に次ぐ戦争で人手不足のオースティンは、さぞサバト国民を奴隷としてオースティンに連れ帰りたいでしょう。
ベルン・ヴァロウは、サバトとの講和を求めているのではありませんでした。
むしろ、戦争を続ける気満々でした。
サバトの国力を削ぎ切った状況で、戦争を続け『サバトに勝利する』のが彼の最終目的だったのです。
「……政府軍が勝ったら、そうなる」
あの快楽殺人鬼が、疲弊しきったサバトと仲良くするなんぞあり得ません。
レミさんというカリスマを用いてサバトを分断し、限界まで国力を弱めてから『自らの手で叩き潰したかった』。
だからこそ、レミさんに
『革命軍はバレバレのブラフに頼る程に、追い詰められています』
「ふざけてるのか?」
『さああと一息。たくさんの犠牲が出ますが、政府軍の勝利は確実です』
「この男は、性根が腐っているのか?」
『さあ叩き潰してください! 残虐に、同胞同士で殺し合ってください! 勝利は目の前ですよ!』
「どこまで『悪』なら、こんな戯けた事を実行に移せるんだ────」
そのベルンの悪辣な誘導に、誰より乗せられていたのはシルフ自身でした。
「私は、私は大馬鹿者だ!」
全てを見抜き、自らの失策を悟ったシルフは、大声で慟哭しました。
これ以上無いほどに、サバトは詰んでいました。
政府軍が勝利した先には、オースティンに攻め込まれて植民地にされる未来でした。
きっと、それに対抗できるだけの人口も物資もサバトには残っていないでしょう。
しかし革命軍が勝利した先に有るのは、夢見がちなカリスマ指導者による地獄の政権です。
多くの市民が歪んだ理想に押し潰され、犠牲になっていくと思われます。
「……は、は」
どうすれば、この状況を覆せるでしょうか。
シルフは考え、悩みました。
進めど地獄、退けど地獄のヨゼグラード戦線。
そこで、彼女の出した結論とは────
「ははは、はは!」
「オースティンは本当に来るだろう。すぐに撤退すべきだ、ブレイク将軍」
撤退、でした。
「まさか、そんな筈はあるまい。この間のお前は、オースティンが来るはずないと言ったではないか」
「考えが変わりました」
シルフは、ブレイク将軍と「二人きりで話がしたい」と頼み込み、そして撤退を進言しました。
そしてこれこそが、サバト政府に残された唯一の『勝機』でした。
「南方司令部経由で、サバトの防寒装備を入手したオースティン兵が来る可能性がありました」
「む、南からだと」
「ええ。敵が最初からオースティンと繋っていたのであれば、そのルートは有り得るのです」
「そ、そうか。そうなのか?」
「ええ、私を信じて下さい」
市街戦を続けるだけで、サバトの人口はどんどん減っていきます。
だから政府軍は少しでも早く撤退し、人をサバトに残さねばなりません。
「だがなぁ、そんな不確かな推測を元に撤退なんぞ……」
「もしオースティンが来てしまったら、我々政府軍は全滅です。民の恨みを買っている現状、負ければ死より恐ろしい事になるでしょう。将軍の安全のためにも、撤退すべきです」
しかしシルフは全てを説明せず、ブレイク司令に『本当にオースティンが来るから』という名分で撤退を進言しました。
彼に全てを理解できるほどの頭脳は無いと、諦めていたのでしょう。
「いや、ダメだ。ここで退いては、今まで死んでいった部下達に申し訳が立たない」
「……」
しかし、やはりブレイク将軍はシルフの進言に頷きませんでした。
何せ、もう後一歩で勝てる状況なのです。
勝利の先に待つ栄華を妄想し続けていた彼にとって、「やっぱり負けるから退こう」等という進言を受け入れられる筈がないのです。
「では見て下さい。あそこの、革命軍の布陣を」
「む?」
「本当にオースティンが来る手筈でないと、あのような珍妙な布陣は引きません」
「むぅ、何処の事を言っている?」
シルフは弁舌を振るいましたが、結局ブレイク将軍を納得させる事は出来ませんでした。
「ほら、3番通りの奥。あの布陣が見えませんか」
「むむぅ?」
ブレイク将軍は、大きな方針転換を嫌います。
上手く行きそうな現状で、全軍撤退なんて方針を説得出来る筈がないのです。
それを悟ったシルフは、警察署の窓から見える敵の部隊をブレイク将軍に示しました。
「良く分からん、普通の陣形に見えるが」
「ああ、すみません」
「アレのどこが、珍妙なのだ────」
「貴方には、何も見えていないのでしたね」
そして、窓を注意深く覗き込んだブレイク司令の後頭部に、
「……貴方が悪人ではないのは知っています。ただ、平凡だっただけ」
しっかりと狙いを定め、拳銃で撃ち抜いたのでした。
「敵の奇襲があった、ブレイク司令が窓から狙撃された。各員、警戒しろ」
こうして指揮官を失った政府軍は、撤退を余儀なくされました。
「ブレイク将軍が失われた今、作戦の続行は困難だ。撤退を開始する」
「りょ、了解です」
「現時点で指揮権はこの私、次席指揮官のシルフ・ノーヴァ参謀大尉が継承した。各員、撤退の準備に入れ」
ブレイク将軍が納得せず、戦闘を継続してしまえばサバトは終わってしまうのです。
なのでシルフは覚悟を決め、ブレイク将軍の暗殺に踏み切ったのでした。
「……シルフ様。これは、これは一体!」
「エライアか。死体を検案し、ブレイク将軍の死因は狙撃だったと伝えろ」
「まさか、貴女は、司令を!」
「頼む、エライア」
発砲音が鳴り響き、駆けつけてきた腹心のエライアさんにそうお願いをした後。
シルフは据わった目をして、
「私に従ってくれ」
そう、言い放ったそうです。
「これからどうするつもりですか」
「国外に逃げる。そこでサバト連邦政府を存続させる」
こうして政府軍は総撤退に追い込まれました。
政府軍の残党は、シルフに纏められて国外への脱出を図りました。
「フラメール・エイリス連合軍に合流を打診しよう」
「……それは」
「向こうからしても、人手が増えるのはありがたいだろう。それにサバト軍の兵装を研究できるとあらば喜んで受け入れてくれるはずだ」
そして現在オースティンと戦闘中のフラメール、エイリスの連合軍に保護して貰う方針を取りました。
それが、恐らくオースティンにとって最も嫌な選択肢だと考えたからです。
「悔しいがしばらく、サバトを……あの賊どもの手に預ける。今はそれしかない」
「シルフ……」
「国民があの夢見がちな女の幻想がハリボテだと気付いた時に、旧政府勢力が滅んでいたらどうしようもなくなる。我々は、生き延びねばならんのだ」
レミ・ウリャコフの政治は、実際すぐにボロが出てしまいます。
彼女はカリスマこそ持っていたものの、実務は同志に任せっきりだったのでした。
それを見越していたシルフは、騙されている国民の目を覚ます為に『敢えて首都を明け渡し』ました。
「……トウリさんは。あのオースティン人の衛生兵はどうしますか」
「牢の鍵だけ開けて、放置しろ。オースティンと戦いに行くのに、連れて行けるはずが無いだろう」
これが、政府軍が突然に撤退した真実でした。
シルフ・ノーヴァはすんでの所でベルンの悪意を看破し、そして躱したのです。
しかしこの件はシルフと自分の間に、埋めようもない溝を作っていました。
「……トウリ。違うよな、お前は」
全ては、単なる偶然だったのですが。
ヨゼグラードで政府軍が負けそうになった時に、強引に戦線を動かしたのは誰だったか。
市街戦で戦線が膠着した時に、より戦争が長引くような助言をしたのは誰だったか。
「お前は、私が見込んだから、私がスカウトしたからソコに居るんだよな」
そんなぐるぐるとした疑念が、シルフの中に渦巻いていて。
彼女は自分に一言も告げないまま、ヨゼグラードを後にしたのです。
「お前は、ベルン・ヴァロウの手先じゃないよな。トウリ────」
その後、シルフは諜報から聞いたそうです。
自分がレミ・ウリャコフの私室に連れ込まれ、仲睦まじく会談をしていたという報告を。
「────そうか」
彼女にとって自分は、初めての同年代の友人だったのかもしれません。
シルフは事あるごとに、チェスを名目に自分に絡んできました。
だからこそ……、その『誤解』は彼女を大きく傷つけたことでしょう。
しかし、考えてみればこれこそが自然な関係でした。
元々、自分と彼女は知り合うべきではなかったのです。
シルフ・ノーヴァは、自分にとって怨敵です。
自分の故郷を焼いたのも、ゴムージがサバトに亡命するきっかけを作ったのも、ロドリー君やアレンさんが犠牲になったのも、全て彼女の策略が原因です。
仲良くなど、出来る筈がありません。
この世界で誰よりも、自分にとってシルフは敵なのです。
一方、オースティンでは。
「そうかそうか、それは良かった。レミには、そうだな。祝辞と友好の内容で返信しておくよ」
シルフ達の撤退が、ベルンに伝わったその日。
彼はにこやかに通信兵を出迎え、満面の笑みですぐに返事を作成し、レミさんの偉業を褒めたたえました。
そして今後も、末永く友好を保つようにレミさんと約束を交わしました。
「いや、お見事な手腕でしたな」
「たまたま、上手く行きすぎただけですよ」
「ベルン君が居ればオースティンは百年安泰だ」
レミさんの革命成功の報は、オースティン参謀本部でも大いに祝われました。
後顧の憂いがなくなり、むしろサバトから支援を受けられる形になったのです。
オースティン軍からすれば、まさに理想的展開でしょう。
「どうした、もう飲まないのかね」
「はは、嬉しすぎて酔いが回るのが早いみたいです」
「そうかそうか、無理をせず休みたまえ。君は国の宝なんだ」
その作戦を主導したベルンもまた、称賛を受ける形となりました。
彼の上官であるアンリ大佐は、手放しでその手腕を誉め続けました。
そんな大戦果をあげたオースティンの大英雄は、
「……ちっ!」
宴も早々に自室に帰った後、苛立ち紛れに椅子を蹴り飛ばしたそうです。
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