第45話4月29日②
そうして大地母神様のお話が終わり、皆と再会したのだが。これがまた大変だった。どうやら丸二日ものあいだ眠っていたそうで、会うなりアスターとガーベラとクロユリが泣きながら抱きついてきたのだ。スイセンとネモフィラとナデシコは平然としていたけど、いやネモフィラはどこか心配そうな雰囲気が漂っていたようにも思う。リコリスは涙目で微笑んでいて、カトレアは涙を溢すまいとすごい顔になってしまっていた。
我慢しないでこっちに来てもいいんだよ?と言ってみたけど、妾の矜持じゃ、と固辞されてしまった。そんなやり取りの最中に、クロユリが。
「も、もうあんな怖い思いはたくさんです!危機を察知することを【クロユリ】の名において誓います!」
なんて叫びだしたときには皆で一瞬唖然とした後、クロユリらしい誓いだと盛り上がった。もちろん、そのあと全員を撫で繰り回した。それでようやく安心したのか皆が落ち着くことができた。
リリス様たちも居たので感謝を述べると、皆気にしなくていい、むしろ世界を救ったことを感謝させてほしい、と言われてしまった。
俺にその実感はないのだが、と考えつつどうやって転移されたのか聞いてみると。
通信具の隠された機能として転移先のマーキングとして、その場所に転移できるそうだ。ただ、これは本当に一部の者しか知らないことで俺も口外しないようにと約束することになった。
ちょうどいいので、ガーネット様にどうして子供を見せるように定めているのかと聞いたところ。自分の子孫に自分と同じドラゴンが生まれないか、期待しているという回答をいただけた。
ガーベラの特別扱いについて聞いてみると、どうやらドラゴニュートの中にも行方不明になっている者が出ていたらしく一度目をつけられたならまた狙われるかもしれないからとのことだった。俺とガーベラが思っていた以上に、子孫への愛情があるようだった。
そのあとも、俺が眠っている間に皆がお世話になっていたらしくそれについても感謝しておく。やはり返答は、気にしなくていい、という一言だったが。その間にカーミラ様との連絡先も全員が手に入れたらしい。
ちょうど明日が休日なので、皆でお祝いをするそうだ。リコリスを召喚してから一ヶ月でもある。とても素敵な一日になりそうな予感を感じつつ、俺たちは学園へと帰るのだった。
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