第38話4月23日②

 トーナメントが終わったあと、そういえば聞いたことはないと思って寿命について聞いてみることにした。


 リコリスからは、リリス様がサキュバスの祖ですが、年齢を聞ける勇者は今まで居ませんでした、と言われ。

 カトレアからは、吸血鬼は不死身の存在じゃから寿命の概念はないと思うのじゃ、と答えをいただき。

 スイセンは分からなかったが代わりにナデシコから、妖怪には寿命は存在しいひんどすえ、と教えてもらい。

 アスターからは、そもそも魔に属する者は寿命が存在する方が珍しいっすよ、と回答され。

 ネモフィラからは、我は死霊系の属性も持っているから寿命は存在しない、と納得させられ。

 ガーベラからは、老いたドラゴニュートは見たことないよ!と答えになっているのか分からないことを告げられた。


 総じて皆が寿命で亡くなることは、考えなくてもよいのではないかという結論に至った。

 むしろ、そういうことであれば出自の分からない俺が一番寿命が短い可能性がある。

 不安になったので、学園長に調査の進捗を聞きに行くことにした。


 その結果、分かったのは調査はかなり難航しているということだ。それもそうだ。すでに判明しているなら俺のところへ連絡が来ているだろう。詳しく聞いたところ、そもそも俺が居た孤児院のなかには既に閉鎖してしまったところもあるらしく。最初に預けられた孤児院すら判明しないらしい。

 ならばと、学園の卒業生の中から精力値の高かった者に連絡を取ってみたが確認できた中からは居ないとのことだ。


 そういうことであれば仕方がないので、召喚契約の間の事故についてはどうなっているかと聞いてみた。ナデシコとクロユリが召喚されてしまった件だ。

 そちらも調査はしたが、なにも異常が見つからず原因は不明とのことだ。

 もし召喚を考えていたならまだ使わないでほしい、とお願いされてしまったが特に召喚しようと考えていたわけではないので了承し話しは終わった。

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