第4話4月1日④
「さて、ここまで色々と明日の作戦を練ってみたけど。リコリスから何か聞きたいことはある?」
「そうですね。私の居た世界と、こことで常識が違うかもしれません。その擦り合わせがしたいですね」
「あ、そうだよね。まずその話をするべきだったね。気が利かなくてごめん」
「いえ、お気になさらないでください。言い出さなかったのは私ですから」
「とはいっても、どんなことを話せばいいかな。」
「それなら最初は、食事をどうされているのか聞かせてほしいです」
「食事は食堂で食べてるかな。24時間いつでも食べることができて、1食銅貨3枚だね。食材の販売もしていて台所を借りることもできるそうだよ」
「すみません、アルス様。銅貨3枚とはどれくらいの価値なのでしょうか?」
「あ、世界が違うとお金の価値も違うかもしれないのか。貨幣は、鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨の種類があってそれぞれ10枚で次の貨幣の価値と同じになるよ。俺が買ったことのあるものだと大体銅貨1枚でパン1個、古着が一揃いで銅貨5枚。裁縫道具の貸し出しで鉄貨3枚、裁縫道具一式の購入で大銅貨3枚ってところなんだけど。参考になったかな?」
「ありがとうございます!ある程度理解できたと思います。それで……その失礼ですが資産はいくらお持ちなのでしょうか?もし必要なら私が稼いできますから、遠慮なく言ってくださいね!」
「それなら心配することはないよ。学園から1ヶ月毎に十分な金額が渡されるし、さっきローナ先生が記録を取っていただろ?あれで召喚獣の分も追加してくれるんだ。そうそう、この部屋も後で空間魔法の魔道具で拡張されるからリコリスの個室とリビングもできるよ」
「私は別にアルス様と同室でも構いませんよ!」
「それは俺が気にするかな。おっと、もうこんな時間か。そろそろ食堂で夕食にしよう」
「それなら最後に時間についてもお聞きしたいです」
「そっか時間も違う可能性があるのか、いいよ。それなら1年は12ヶ月で1ヶ月は5週間で1週間は6日、1日は24時間で1時間は60分、1分は60秒だね。申し訳ないんだけど1秒が何を基準にしているかは知らないんだ。ごめんね。」
「それなら1年は360日ということですね。そこは変わらないのですが、もしかしたら1日の長さが早かったり遅かったりするのかもしれませんね。これはもうどうしようもないでしょうから、お気にしないでくださいね」
「そう言ってくれると助かるよ。それじゃあ食堂に向かうんだけど、もうひとつ謝らないといけないんだ。馬鹿にされてるって話はしただろ?だから食堂は居心地が悪くて。不快な思いをさせると思う。ごめん。」
「謝らないでください、アルス様!それならこの部屋で食事をしましょう!」
「でも、リコリスの負担になるんじゃないか?」
「アルス様にそんな思いをさせる方が許せません!」
「そういうことならありがとう。頼むよ。」
「お任せください!」
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