第12話
夢には続きがあった。
自分は手を汚さず、お父さんにお母さんとおばあちゃんを殺害させるように仕組んだ真の黒幕がいた。その人は霊感が強く、わるいかみさまを己の体に憑依させ、赤い服を着たくるみ割り人形を操り、邪魔な私たちを呪い殺そうとした。
お母さんを独占するために。
「なんで分かっちゃったの。もうちょっときみが怖がる顔を見たかっのにな。残念だ」
翌日私は真侑さんとおじさんとある場所を訪れていた。
そこは七年前助けを求めて駆け込んだコンビニエンスストアがあった場所。テナント募集の紙が貼られてあるドアの前に男の人がにたにたと笑いながら座っていた。その人は命の恩人である店員さんその人だった。
お母さんの同級生であり初恋の相手であり、そして鞠子さんの元夫だった人だ。
善人をずっと演じていた。
「お母さんを返してください………。私の、本当のお父さん………」
本当はこわいくるみ割り人形 彩矢 @nanamori-aya
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