第2話

 騎士が走り出し、エレンに触れようとしたそこへ、観客を守る為の結界を破壊して乱入する。


「る、ルナ?!なにして…」

「エレン、そんなのクソ無能の悪漢達からエレンを守る為に来たんだよ」


 エレンの顔を見て、物凄い幸福を感じる。

 可愛すぎなんだよね。神の最高傑作とかチャチなもんじゃなくて、神すらも平伏する、生まれながらに美しいそう言う存在、美しい、可愛いの化身だよ。まじで可愛い。やばい見てたら興奮してきた。結婚したい。


「なんで私男じゃないんだろう」

「どうして来たの!?」


 必死そうにエレンが言う。

 まあ、確かにいくら世界一の学園とは言え、一生徒が本職の騎士を相手できるわけないしね。


「無礼な平民め…!奴もひっ捕えよ!!」


「やってみなよ。二度とエレンと私に舐めたことできないようにしてやる」


 どっちが上か、一番わかりやすい方法は魔力だけで圧し潰すことだ。意思を持ってるモノなら無差別に効く力技。


「か…ひゅっ」

「ひ、ひぃ…!」

「な…なぁ…」


 精霊王曰く、逆らっちゃいけないナニカに見えるらしい私の魔力は、この愚者共にも有効らしい。ダメならダメで魔法使うけど。


「魔力で支配した範囲内は、魔法を発動するロスタイムがゼロ、って言われてるらしいね」


 話しながら、魔法陣を百、二百、三百と出して行く。闘技場の空を埋め尽くし、魔法陣の向きを中心に向ける。


「遺言は聞かないよ」

「そこまでだ」


 エレンが私を止めるより先、目の前の汚物第二王子の父親、国王が静止をかけてきた。


「罰を与えるのは其方ではない。私の仕事だ」


「……仕方ないですね」


 遅い気がするけど、まあ立場があるしね。それにショックも大きそうだし。

 魔法陣を消して、魔力を収める。


「他国の方々、折角のイベント中に愚息が申し訳ない。私が責任を持ってこやつらに罰を与えるため、安心して楽しんで欲しい」


 そう言って、近衛騎士達に指示を出して第二王子一派バカ達を回収して去っていった。


「じゃあ、私も帰るねエレン」

「だめに決まってるでしょ…」


 司会の人が話してる途中、あの王様の近衛騎士の人たちと一緒に控え室に戻りながら言うと、呆れられながら手を繋がれた。

 レア表情の呆れ顔だ!ラッキー!

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友達が周りからいじめられてるらしい。なら、ボコボコにするしかないよな!?! 不定形 @0557

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