ブルーラプソディ
みぬみぬ
0話
私は吹奏楽がやりたかった。ただ純粋に。がむしゃらに。
一番になれなくたって構わない。私の思いを、音楽を届けられるように吹くことができればそれでよかった。
なのに、どうして。
「先生、私、休部したくないです。でも、母親はもう無理だって、休部しろって、言うんです。
私、頑張りたいだけなのにどうすればいいですか...。」
「やっぱり無理で、この定演終わったら休部します。春には戻ってきます。絶対辞めたりしません。」
私、
「あああああああああっ!!!!」
少し自分のキャパシティを超えて頑張りすぎたみたいだ。感情の起伏は激しくなり、どうしようもなくなり、毎日少し心を楽にする漢方を飲み二週間に一度ほどカウンセリングを受けるようになった。
学校にもまともに行けなくなった。まだ一年の一月だ。まだこれからなのに、なにもできなくなっていく自分がたまらなく恐ろしかった。毎日泣いた。毎日怒った。毎日死にたかった。全部、理由もないのに。
病名はなかった。鬱病でもないのかと少し不思議だったが、母は鬱ならもっと苦しいと私に言い聞かせた。
ただ、サックスが吹きたかった。
ブルーラプソディ みぬみぬ @minuminu0115
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