君の声は唯一無二で。

柊藍々

君の声はもう。

君の声が大好きだった。笑い声も歌声も、全部全部大好きだった。なのに、なのに君はある日を堺に声が出なくなった。俺は君の唯一無二な声をもう聞けない。

彼女が声を出せなくなった日は俺は家にいた。彼女は友達と出かけてた。遊びに行く前は無邪気にはしゃいでいた。

「ねぇねぇ、憐!」

「どうしたの華菜」

「今日友達と遊びに行ってくるー!」

「わかった、気をつけてね!」

「うんもちろん!!!」

これが彼女と最後に聞いた声で、会話だった。帰って来ても元気な「ただいま」が聞こえなかった。ドアの開く音がして玄関へ行くと口パクで何かを伝えていた。

「おかえり、華奈」

(ただいま、憐)

どうすることも出来なくて俺は自分の部屋に逃げた。

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君の声は唯一無二で。 柊藍々 @ramom0520

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