第2話 *主人公視点外
Sランクダンジョンから戻り報告を終えてギルド併設の酒屋で酒を飲んでいた時だ。
「エルフ族のミミア様ですよね、サインください!!」と可愛らしい冒険者になりたての少女がサインをねだって来た時だ。
ギルドの空気が一瞬だけ静かになった。
何も持たずにアロハシャツとサングラスをかけた約185cmの黒髪の青年が入って来た。
静かになったがまた騒がしいギルドに戻った瞬間に私は観てしまった。
とんでもない量の精霊と思わしき光が彼の周りを取り囲み、ギルド内の光が更に集まっていく所を。
震えながらサインを書き
「頑張ってね!」と言い少女送り出した。
精霊を見れているのは恐らく私だけ。
精霊は共存すれば良き隣人と一般常識だが、エルフ族と単眼族と角族は恐ろしく強い生物で絶対に怒らせてはいけない。怒らせれば死を覚悟しろと伝わっている。
精霊が怒り、世界を壊しかけた時にこの3種族がなだめ世界がまだ正常に保っている。
「こんばんわ。冒険者登録をしたいんですけど。」
こういう時に、エルフの長い耳は役に立つ。
「冒険者登録ですね。先にお名前と生年月日を教えていただきます。」
「2005年の5月15日で名前は
『ねぇねぇ。なにしてるの?』
『なんか観てる人いるー』
『あー観てるー』
『こそっと聴いてる』
と精霊が姿を現し喋りかけて来た。
まずい!!目をつけられた。
『どうする?』
『どうする?』
『どうする?』
『イタズラしちゃう?』
『しちゃおう!!』
『そうしよう!』
『えー!!やめとけだって』
『だめなんだ』
『あーあ』
『あーあ』
『もういいや』
『帰ってこいだって』
『バイバイー』
『またねー』
『また遊ぼうねー!』
私は一連の会話のドッジボールの中一切声が出なかった。冷や汗だけで身体がビチョビチョだ。
「それでは、これで登録は終わりです。最後に2つ程質問させていただきます。まず、役はなんですか?」
「なんだろう。強いていえば魔法使い?」
「ご使用予定の武器は?」
「剣?」
お酒を飲んでる奴が吹き出した。
「なんだ?魔法適正が0が魔法使いでひょろひょろそうな奴が剣を使うだと?お前の役はあれだろ、生き恥だろ」
「「「「「ギャハハハハハ」」」」」
あ、精霊ブチギレてる。
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