odor

@Nanayuyu753

匂い

匂いとはなんだ?


脳裏に浮かんでいる言葉は螺旋を張り巡らせるように思考が張り巡らせていた。私は一人,夜の街をバイクで走らせていた。理由は,得体のしれない街にある住所の調査依頼があったのだ。


しかも依頼料もお墨付き•••


そんな記憶が頭の片隅に置いてあっただのだ。'なのだ?’というのは記憶の混同が曖昧で思うように思い出せないでいる。1週間前に事務所のポストに挟んであった、差出人不明の手紙。


封を切る前に仄かに漂ようは,キャラメルを炭火で炙ったかのような仄かに、極度に甘ったるい匂いを嗅いだから,自らがバイクに跨り,休憩を挟む事なく走らせているのだ。記憶や意識にまでに身に覚えはなかった。1週間の記憶が丸々抜けているようだった。普段使っているバイクの匂いでさえも違う人に跨られている感覚。愛車が他の誰かに取られて弄られている様で,鳥肌とそれこそ•••得体の知れない者が他に近づいていると錯覚を興す程だった。


自分は自分と強く言い聞かせていたが,不安と虫を噛み潰す感触が身体に残る。

手紙を調べたいが,物をどこに閉まったか? 金一封が入った封筒と入っていた手紙だが気付いたら無くなっていた。記憶の意識外で豪遊してしまった?というのも考えたが,ソレに見合うレシートを見つけられなかった。


私の記憶の最中にあるは,”楪へ”,と締めくくられた内容はと”桜の木ノ下で永久に待つ”という。


誰かしらに充てられた文書が否応にも鮮明に記憶を思い出させては得体もしれない恐怖が襲ってこようとする。


"身に覚えがないのだ"


身に覚えがないという表現はいささかに間違いではある,が•••表現を言葉にするには

名称しがたい何が裏が意図を引いては潜んでいる,そんな気がして正体を暴いてやりたい•••そんな感情が沸々と湧いていたのだろう。


新たな進路を傾け,古いトンネルを抜けてバイクで道を急いだ。


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トンネルを抜けた先,空虚な街が広がっていた。街からは生気が消え,空気が冷えこみ,肌を貫き時間が止まったような街並み観光者を歓迎しないような,そんな街のようだ。道を行く人は顔が見えないが,血の気がない程に生気を感じられない。

まるで,カタチはヒトの姿をしているが,全く別物だったのかと,現在,思い返したら恐怖に陥り兼ねないものだ。


私は彼らの後ろ姿を視界から追い越していた。中には愛機と全く同じバイクの壊れた事故現場を尻目に見かけたが,警察官やパトカー,はたまた規制テープなる物が貼られてないようだ。


道行く人が警察に通報もさしていない。奇妙な街、現実離れがある街と思考しながらメモ書きに描いていたであろう建物に近づいていた。

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民家だった,夜の繁華街で賑わう時間だ,にも関わらず,辺りは不気味な程に静まりかえっている。


時代に取り残されたのか,寂れてになっているのか? 本来なら取材の申し込み用に一報をいれるのがマナーなのだが,1週間前の件もあるので,ここに連絡を入れてると信じる他はなかった,バイクを民家近くに停め,玄関前に足を忍ばせ、家主が居るであろうにも,ひとの気配がない。玄関に手を掛けるとキィ..と扉と共に,開放された,建物に数年ぶりの空気が入る。放置されて何十年も時間が経つような肌に晒される。もしかしたらもぬけの殻か?


私は(御邪魔します)と言葉を呟き,民家の中に脚を運んだ。


玄関先には,下駄箱や郵便書類や、支払いの山,挙げ句は差し押さえの手紙まで,ただ

この家には家主の姿が何処にも居ない。

私は(すいません!)と声を大きく張り上げたが,応答の声も虚しくなかった。


床に視線を向けた直後に下駄箱からの先に繋がる廊下が別の廊下へと姿を変えた事に気が付いた。

廊下の色が変わっていたのだ。

玄関で立ち尽くすの前へ進まないので私は家宅内に入り探索を始めた。

家宅内は招かざる客人には冷たい程に冷え切っていた。まるで家自身が客人を観察してるような心の内を覗いでる名称しがたい感情を漂よわせているた,。怖い•••という表現を私は焦りを見せていだか、知りえもない記憶の断片にこの家の構造の幾つかを知っているような感覚に陥りかけている。

•••気持ち悪い•••

知らない誰かの記憶の上を歩かされてるような感覚に陥りそうだ。断片的に知っている匂いを家から感じていた。幼い頃の思い出とはいかずともこの身体よりも前の記憶前世の記憶?という物なのか? 感情を揺り動かし身体が先を求めようとした。進んだ先には部屋が立ち並ぶ。ある部屋の前を通った際にうっすらとドアの向こうから冷えた何かが,ドアの隙間から私を覗いていた。

不意に誰かの視線を感じた。私は蓑毛もよだす。得体の知れない何かを感じていた。冷え切った空気により自身を強く感情を持たないと,意識を刈り取られ,知らないセカイへと誘れそうになりかねない。恐怖より異界の地に土足を踏んでしまった罰を,相手からは不安を仰ごうとしているのが気持ち悪さをより強調するのであった。

廊下を進み,部屋のドアをひとつひとつを確認して前へ進めているが,物音ひとつ聞こえなくい。ドラマやバラエティでよく見る家宅捜索というのはこんな物なのだろうか。ふと考えを過ると地下へと進む螺旋階段が姿を現した。私は階段を地下へと進み脚を運んだ。

地下には上の階にない。黒く歪んだ頑丈な部屋があった。扉には施錠が無く。押せば開きそうだった。私は扉を押すとギィ..と重い扉と共に,ソレは開放された。

私の視界に飛び込んで来たのは人間の肉片ばかりを合成させては肉が蠢き肉が哀しみや悲哀の言葉を呟き,誰かすら名前を呼ぶ名状がない。いや,名状しがたいソレが姿を現した。私の視界の先にあるはきっと•••どの物図鑑記載は無いだろう。

何も似ても似つかない,RPGに居そうな化け物がソコに居た•••

匂いに覚えがあった。キャラメルを炭火で炙ったかのような仄かに、極度に甘ったるい匂いだ。ソレから溢れる臭いにより部屋全体に充満し,撒き散らしていた

ソレが姿を現したという驚きや恐怖が肌を貫き,甘ったるい匂いと部屋の惨状により,自らの腹にある物が喉の奥まで達し、咀嚼物 が目の前に溢れだした。

この得体の知れない存在は誰が想像したのだろう,誰が創造したのだろう。

ここの家主の趣味は嫌悪しか無いはずだ。人の倫理観を超えて,人体実験を繰り返すような趣味を家主はしているのだろうと思う,思考を巡らせて居た所,ソレは涙声のようなわめきを周りに散らしまるで自分を殺すよう,懇願するような音だった。ソレは音を叫び,私を敵だと判断し襲ってきた,私は逃げ惑う事しか出来無かった。

私は勢いをつける形で後退り、扉の前までのけ反り,逃げることができた。

そのまま駆け足で階段まで駆けあがり,息を吐いて、深呼吸をした。

この建物は呪われてる。早く警察に言わなくてはと,思ったところに窓を見た時にソレをみた,桜の木だ,季節外れに咲き誇っていた。

思い出した,”桜の木ノ下で永久に待つ”

桜の木ノ下はもしかしたら先ほどに見た,化け物のなれの果てだったのかもしれない。私は思考を考えたところで、ふとキャラメルを炭火で炙ったかのような仄かに甘ったるい匂いを嗅いだ。そこで意識が途切れ,次に目覚めた時は病院だった。目覚めた時に看護婦に聞いたところ,道路でバイク事故に合い,運ばれたという,愛機は廃車で奇跡的に助かったとも言われた,家については聞いたら,そんな街と共に家はなく,一本,桜の木が咲いているだけだと・・・



Fin

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