最終話  後書き・・・

桜も満開の4月8日

あきよしは初産は予定日より遅れることが多いと聞いていたが早朝にあつこにお腹が痛いと起こされ予定日より2日遅れてついに産まれるときが来たと喜び半分、不安半分で分娩室前のベンチを立ったり座ったりを繰り返しながら待った。

30分後分娩室から

「オギャー、オギャー」

と鳴き声が聞こえ看護師から母子ともに健康です。可愛い女の子ですよと伝えられた。

産後あつこにありがとうとお疲れ様を伝えあつこの横で眠る生まれたての我が子を見た。

「女の子だったら名前は決めてるんだけど」

「なんて名前?」

「えみにしたい。母さんからいただいた名前の響きと漢字は笑うに美しいで笑美」

「うん、この子もきっと喜ぶわ」


本格的に梅雨になる前に山登りに行こうとあきよしとこういちは二人で母の話をしながら登った山を登った。

山の中腹であつこの作ってくれた弁当を広げこういちは驚いた。

「ほとんど母さんの味と一緒じゃないか。コロッケなんて母さんが作ったのと同じだ」

2人は、母が愛してやまなかった季節の移り変わりを見ながら、仲良く話を続けた。

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兄弟 大和 真(やまと しん) @ysf40neo

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