第27話 流星群を君と

「真奈美、すごいよ。早くこっち来て!」


 今日は天気にも恵まれ絶好の天体観測日和だ。家の庭から満天の星を見ることができた。


「今日、流星群が見えるって言ってたね」


「うん。ペルセウス座流星群だって。ホントに見える。さすが田舎!」


 子どもの頃見た星空はたしかこんな感じだった。都会に住んでからはこんなに沢山の星が見えるってこと自体すっかり忘れていたから。


「ねぇ、知ってる? 今私達が見ている星は、実際には消滅しているかもしれないっていうの」


「それ、なんか聞いたことあるな。たとえば十万光年離れた星の光は、消滅した後も十万年間光が届いてくる、ってヤツだよね」


 あの光を放つ星の本体は、今はもうないかもしれないなんて、少し寂しいような気もするし、不思議な感じがする。


「楓の光もきっと遠く離れた人には今頃届いてるんじゃないかな?」


「え、どういうこと? オレが星なの?」 


「私にとって楓はすごく輝いてる星みたいだったよ。もちろん今でもね」


 目をキラキラさせながら、美しく輝く星々を見上げる真奈美の綺麗な横顔に一瞬見とれた。真奈美は可愛いし、流星群はバッチリ見れたし、今日はいい日だ。


「長時間その体勢は気を付けなね。首痛めるから」


 若い頃、天体観測で首を痛めたことがあった。今もあの頃もやってることは変わらないな。


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流星群を君と 〜楓〜 海乃マリー @invisible-world

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