5-(6/7)殺戮者の別離

(備考)

 エッセイのブームが自分の中で来てしまい、エッセイ五万字ほど書いてました。(投稿せず寝かせたもの含む)


 衛星墜落論戦をお読み下さる方に申し訳ないので宣言しますと、毎週最低2回の更新かなと考えております。


① 1週間お疲れさまです、ということで土曜の昼下がり。

② なんとなく2回目は火曜の午前くらいに。


 テンションが高ければ他の曜日もふらっと投稿いたします。


(おまけ)


 試し書きで前後の文脈も何もありませんが、衛星墜落論戦の体験版お試しセットみたいな話です。(衛星編の後の物語)

「どうして命懸けじゃなくなった!?」という疑問は後々アンサーを明示します。


(全5話の最初の回のリンク)

https://kakuyomu.jp/works/16818023212725021469/episodes/16818093076908357936

スマホからのアクセスでコピーが億劫な人はトモフジテツの作品一覧から

 

【遠野対策機関 蛇の足】

【5章 論戦の蛇の足】


 と開いて下されば、お手にとっていただけます。

 

(以下、本文)


 三日目。

 

『パンダ処刑イケたやんけ。ざまあみろ』

『襲撃は……軽曽根カルソネで構わないか?』


『ほな、オレの命も明日までか。対抗を襲撃するなら今夜やしな』

関西カンサイを襲撃することは不可能、グレーを襲撃しても違和感が生じる、吾輩わがはいや三人目が軽曽根カルソネ調査サーチされクロ結果を引かれる方が面倒だ』


『わかるで』

『すまないな』


 この意図は僕でも分かる。

 三日目の時点で、御劔ミツルギ以外の誰かが警備セキュリティなら関西カンサイ白戸シロトを護衛したはずだ。

 もし僕が警備セキュリティなら、関西カンサイを護衛していた。つまり状況と信用差から調査結果サーチ・リザルトないがしろにされた軽曽根カルソネの私室はガラ空きである。


『何を謝ってんねん、もうオレはさんざっぱら殺したし満足や』

『そうか』


『どっちかっつーと君、パンダに謝らなアカンとちゃう? そもそも何で特攻とっこうさせたん、最後やし教えてや』

半田ハンダとは付き合いが長い。奴は心が弱く予選で疲弊ひへいし、吾輩を心のどころとしていた。吾輩が突き放せば半田の情緒は壊れる』


『君、人の心ないん? パンダに同情するわ』

『心があるからこそ、何をされて苦しむか分かるのだ。現に半田ハンダは動揺し、人間であるにも関わらず勝手に黒くなっていった』


『まあ、お陰で処刑できて軽曽根カルソネも襲撃できるし、ええか』

半田ハンダとて、吾輩を応援し吾輩の陣営を勝たせたかったはずだ。本望だろう』


『まあ、そう割り切るしかないもんな』

『そういうことだ』


 割り切れてたまるか、どこまでも最悪な企画イベントだ。

 しかし、いかなる状況でも狼が自らを狼であると伝える行為は禁じられ、個人識別板パーソナル・カードも本人以外は視認できない環境なら、仕方のないことなのかもしれない。

 狼が勝った時点で人間陣営は全員死ぬことを考えても、遅かれ早かれだ。


『君、本社や支社どこやっけ? 中央特区に衛星落ちたら困る?』

『困らんな、むしろ都合が良い。本社は東海経済区画だ』

『中央特区に衛星を落とすのは、賛成』


『なんや三人目、おったんか。まあ、そういうことや。オレは明日死ぬけど、東亜国にズドンと一発頼むで』

『承知した。三人目は何故、衛星を落としたい? 四日目の関西カンサイ処刑から先の動きで、吾輩に何か注文はあるか?』

『ノーコメント』


 相変わらず〝三人目〟つまり早乙女サオトメは淡白だ。


 四日目、軽曽根カルソネが襲撃されたことで関西カンサイが確定の狼として処刑された夜。


『吾輩は白戸シロト警備セキュリティだとにらんでいる』


『襲撃先は白戸シロトで構わないか?』


白戸シロトを殺せたら警備セキュリティかたろうと思うのだが』


『三人目、いないのか?』


 タイムスタンプの時刻が飛び〝三人目〟から一言だけ返信が書き込まれる。


『お好きにどうぞ。襲撃先、白戸シロトに設定済み』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る