第4話:一筋縄じゃいかない女神の巻。

「みめうるわしい男を愛するほうがいいに決まってるでしょ?」


「そうなんだ・・・貞操観念はあるんだ」

「あ〜私に一番似つかわしくない言葉だね、それって」

「まあ、こちょこちょ男をつまみ食いするから、だから目に余るって言われる

んだって思うけど・・・」

「そうね・・・せっかくこの時代に来たんだし・・・不謹慎なことやめて

少しだけ真面目にやってみようかな?」


「まあ、とこかくサグメちゃんはこの時代に馴染んだほうがいいと思うけど・・・」

「パンツは好きなタイプ、サグメちゃんに買ってあげるから」


「そんなのいらないって」


「だからここで暮らすなら必要なんだって」


「分かった、しかたない・・・じゃ〜手始めに若彦の趣味に付き合ってやるか」


いいも悪いもなく、結局サグメは若彦の家に居座ってしまった。


女っ気のなかった若彦・・・いきなりサグメみたいなエロっぽい女が現れて、

彼女を受け入れるのに、しばらく時間がかかりそうだった。


女が風呂から出てくるってこと自体、理解には値しない出来事だからね。

オカルト雑誌の出版元が聞いたら喜んで記事にしてくれそうだ。


今は、仕事から帰って来たら家に女神様がいて「おかえり」って出迎えてくれる

んだから、疲れてても元気でるよね・・・しかも、もう女神の格好のサグメは

どこにもいない。

若彦は普通の女と同棲してるみたいだった。


サグメはまるで若彦の彼女みたいだった。

でもサグメ自信は、自分で気づくくらいは意識してなかったみたいだった。

だけど若彦はめちゃ意識していた。

常にサグメを女として見てるからね。

最初は驚いたけど、今の若彦はサグメと巡りあえてよかったって思っていた。


最初にサグメに誘惑されてから、その後、若彦は一度もエロいサグメを見ていない。

もしまたサグメから誘惑されたら、拒否する自信は若彦にはなかった。


「サグメがおいでって来たら、やっちゃっていいんだよな」

「そのためにネットでコンドーム買ったし・・・」


だけどサグメは今のところ発情期じゃないみたいだね。

そのくせ、若彦の顔を見るたびヒマよね、を連呼していた。


高天原にいた時は、遊び呆けてなにもしてなかったんだろう。

料理はからっきしダメ。

だからご飯類は未だにデリバリー。

サグメ本人も料理なんか作る気ゼロ。


だけどせめて買い物くらいはと思って若彦は暇があったらサグメを外に

連れ出した。


習うより慣れよって言うように、この社会は経験がものを言う。

できたらいずれは若彦がいちいちついて行かなくても自分一人でスーパーに

買い物にくらいは行けるようになって欲しかった。

ここで暮らす以上はね。


でも、なかなか一筋縄じゃいかない女神。

ひねくれた性格はそう簡単に治るもんじゃない。

サグメがちょっとばかし、わがままな女だってことが若彦の悩みの種でもあった。

しかも、ああ言えばこう言う、こう言えばああいう・・・

人の上げ足は取る・・・。


サグメの態度や物言いから言って彼女は確実にSだって思いがちだけど

実は彼女はどMなのだ・・・で、逆に若彦はどS・・・だからサグメはほんとは

イジメて欲しい側。

その願望を叶えられなくて、じれったくてわがまま言ったり若彦に逆らったり

する。

で、若彦に怒られるのが実は快感なのだ。

叱ってほしい・・・それだけでサグメは濡れる。


要は男に素直になれない女神。

だけど彼女がそう言う性癖の女だって若彦はまだ気付かずにいた。

だから若彦はサグメは絶対どSだって思ってた。


とぅ〜び〜こんて乳。

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