第3話:え?出血大サービスって?の巻。

「でさ、なんで僕んちの風呂から出てきたの?普通はあんなことオカルト雑誌

にくらいしか載ってないような出来事だよ?」


「私ね、逃げてきたの・・・」


「私はもともと高天原たかまがはらってところに住んでたのね」

「高天原は、簡単に言えば神様たちが住むところなんだよね」


「ここに住む神様たちは「天つ神あまつかみ」って呼ばれて私もその一人」

「私はそこでヒマを持て余して男の神様を誘惑したりいたずらや悪さばかり

してたの」


「で、度が過ぎちゃって・・・目に余るって言うんで罪に問われそうになって」

「もし、とっ捕まっちゃったら何百年も牢屋に閉じ込められて出て来れなくなる

でしょ?だからね・・・それで見つかりそうにない時代に逃げて来たってわけ」


「できるだけ遠くがいいと思って、まあこのくらい離れてたら大丈夫よねって

思って出て来たところが、若彦んちのお風呂だったの」

「私は水を司る女神だから、水さえあればどこにでも行けるんだよ・・・」


「分かった?・・・それが真相か・・・」

「なるほどね〜・・・面白い話」


「ふん、ち〜とも面白くないから・・・私、前科者になっちゃってるんだよ」


「そうか・・・じゃ〜高天原ってところにはもう帰れないってことなんだ」


「そうだね・・・だから〜」


「あ〜だから、ここにいさせてって言うんだろ?」


「飲み込み早いね、若彦」


「この状況がすべてを語ってるもん」


「いていいの?」


「いいよ、だって、こんな夜に女の子ひとり外に放り出す訳にはいかない

だろ?」


「優しんだね、若彦は・・・じゃ〜出血大サービス」


そう言うとサグメちゃんは、いきなりパンツを脱いだ。


「な、なにしてんの?・・・・え?出血大サービスって?」


「うん、見ての通りだけど・・・」


「今更だけど、めっちゃいい体してるよね」

「サグメちゃんの、そのセックスシンボルみたいな豊満な肉体って言うか

ナイスバディって言うか・・・たまんないんだけど・・・」


「だったらいいじゃん・・・ほら、おいで若彦」


「僕たちさっき会ったばっかだろ?・・・なのにそんなに早く?いいの?」

「あっ、つうかダメだ・・・コンドームないし」


「なに?そのコンドームって?」


「避妊具だよ・・・妊娠させちゃマズいだろ?」

「人間と女神様のハーフが生まれちゃうよ」


「若彦、すっごい現実的」

「高天原じゃそんなこと誰も気にしないよ・・・」

「ふ〜ん・・・つまんない・・・やっぱ、やる気失せた・・・や〜めた」


そう言うとサグメちゃんはパンツを、そこいらに放った。


「あ〜やっぱり裸のほうが開放的」


「パンツは履いててくれたほうがいいかな?」


「なんでよ?」


「僕、これでも下着フェチだから・・・」


「フェチってなにそれ??」

「そもそも下着ってなに?」


「サグメちゃんが今、脱いで放ったパンツのこと、服の下に身につける肌着」


「ふ〜ん、でもこんなの履いてたら窮屈じゃん」


「この時代じゃ下着は身につけるのが常識なの」

「あのさ、ここで生きていくなら女神様の格好はやめたほうがいいよ」

「まったく馴染んでないから・・・郷に入っては郷に従えって言うだろ?」

「朱に交われば赤くなるって言うし・・・ちっと違うか」


「この時代に見合う服を着て、でもって決して人に女神だなんて言わないこと」

「頭がおかしい女だって思われるからね」


「だけど、いいよ、めっちゃいい・・・サグメちゃんのそのナイスバディに

パンツってめちゃ最強なんだけど・・・365日ずっと眺めてても飽きないと

思うわ」


「って言うか・・・話戻るけどサグメちゃんっていつもそうなの?」


「なにが?」


「男なら誰でもいいとか?・・・誰とでも寝るの?」


「なに、言ってんの・・・私が気にいった男だけだよ」

「だから若彦は合格ってことになるね」

「でもまあ、私のその時の気分次第かな・・・私、面食いだから誰でもいい

って訳じゃないから・・・」

「みめうるわしい男を愛するほうがいいに決まってるでしょ?」


とぅ〜び〜こんて乳。


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