451

・【フラグNo.9】に「10」を記入すること。


 君がにこにこと愛想笑いしていると、ユニコーンはうやうやしく頭を垂れた。

「女神よ‥‥どうか私の背にお乗りください」

「何をのぼせてやがる!」」

 スターアローは嫌がったが、君はあえてユニコーンに乗りかえてあげた。

「おいおい!?」

 驚くスターアロー。


 ユニコーンは君が跨ると「ぬふぅ‥‥!」と何か感極まった声を漏らす。

「この軽さ、この重み、この感触‥‥! 俺がこの樹海に来たのはこのためだったのか‥‥」

 夢ごこちで呟くと一声高くいななき、尻尾を千切れそうなほどぶんぶん振り、ユニコーンは祭壇の周りを走り出した。

 なるほど、馬としての能力はスターアローに勝るとも劣らないだろう。馬具が無いのでそのぶん乗り難くはあるが。

 落ちないよう君が首に身を預けると、ユニコーンは「んふぅ‥‥!」と何か感極まった声を漏らす。


 たっぷり汗をかいてユニコーンは止まった。

「女神よ‥‥どうか貴女の下僕に膝枕をお恵み下さい」

「何をふざけてやがる!」

 スターアローは嫌がったが、君はあえて座り易い石の上に腰を下ろし、ユニコーンを誘った。ユニコーンは実に素早く君の太ももに頭を乗せる。

「おいおい!?」

 驚くスターアロー。

 それを他所にユニコーンは全力で深呼吸を繰り返した。

「この温もり、この柔らかさ、この香り‥‥! 俺は今日という日のために生きて来たのか‥‥」

 夢ごこちで呟くユニコーン。君はその首を優しく撫でてやった。

「おっ‥‥うっ‥‥ほふっ‥‥なんとしなやかな指使い‥‥角もお願いします」

 夢ごこちで呟くユニコーン。君はその角を優しく撫でてやった。

「ほぅっ‥‥んほっ‥‥あふぉっ‥‥」

 もう声にならないようだ。尻尾がびくんびくんと痙攣している。

 やがてユニコーンはぐったりと動かなくなった。


「何してやがる、さっさとそいつにトドメを刺せ!」

 スターアローが叫ぶが、君はユニコーンを揺すって起こした。

「はっ! 逝きかけたというか、ある意味イったというか‥‥なんと素晴らしい。貴女は女神の化身だ。もうそこの羽持ちから俺に乗り換えませんか? 一生貴女の馬になります」


 流石にそれはやんわり断った。

 するとユニコーンはしょげかえりながらも申し出てくる。

「ならばせめて貴女にお礼をさせてください」

 やっと期待したものが来たようだ。

「貴女の体を癒すか、水を薬に変えるか。汚染された物を浄化する事もできます」


・体を癒すなら、君の【戦闘力】と【生命力】を最大値にせよ。さらに毒や病の悪影響も全て消え去る。

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076691769741


・所持品に【水】があれば、それを薬に変えてもらう事もできる。

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076691738458


・所持品に【毒珠】があれば、それを浄化してもらう事もできる。その場合は【フラグNo.14】の値に410を加えた項目へ進め。

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