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 君が命華草ライフグラスを入れた小袋を渡すと、老フォアマはそれを覗き込んだ。

「こいつがそうだってのか。ふむ‥‥専門家に調べさせて、薬の調合もさせないとな。お客人、あんたらはしばらくウチに居てくれ。おそらく数日かかるだろうから、街も好きに見て回っておいて、どこに住居を構えたいかも考えておいてくんな」


「どうやら爺さん、俺達がニセモノを売るペテン師じゃないのか疑っているようだぜ」

 小声で囁くスターアロー。

 君も老人が自分達を完全には信用していないようだと感じた。

 まぁ伝説の秘宝を売りに来る者がいたら誰でも疑うだろう。信じるまで好きにさせておき、君は彼の申し出の通り、暇な期間に街を下見しておく事にした。



 そして君は、この街が前から薄々思っている通りの街だと確信した。

 法も秩序もロクに機能していない。雑多で、他では暮らせない人間が大勢入り込み、表よりも裏の方が大きく、ならず者の組が複数入り乱れて睨み合っている街なのだと。



――数日後――



「いやはや、大したもんだ! やはり人間、生きていてこそだな。まさかこんな奇跡が我が身に起こるとはよ!」

 フォアマは上機嫌に大笑いしながら商談をまとめに来た。

 もうフォアマ老人ではない――どう見ても三十代の壮年だ。本人が名乗らなかったらとてもわからなかった。


「薬を作って使う所までやってたのか。そりゃ時間がかかるわけだぜ」

「悪いな天馬ペガサスさんよ。まぁそう言ってくれるな」

 スターアローが呆れても、上機嫌のフォアマは笑うばかりだ。

「で、あんたらへの報酬は、物件か金のどっちで払えばいいかね。時間はあったんだ、決まっているんだろう?」


 この街に居を構えるなら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075734000960


 あえて断り、このまま放浪の旅を続けたいなら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076927677993

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